斎藤ちさとのウェブログ CHISATO SAITO weblog
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米粒書画
茶漬け画は現在265食目となり、目標の366食まであと101食。
同時に次のステップも見据えた動きを始めています。
旧作、rice dot drawingのシンバージョン
仮題「米粒書画」の試作を始めています。
この試作や茶漬け図について、
snsに投稿した画像に問い合わ...
茶漬け画は現在265食目となり、目標の366食まであと101食。
同時に次のステップも見据えた動きを始めています。
旧作、rice dot drawingのシンバージョン
仮題「米粒書画」の試作を始めています。
この試作や茶漬け図について、
snsに投稿した画像に問い合わせを何件かいただいたので
一旦テキストにまとめてみました。
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米粒書画
2022年の夏、生成AIに一瞬で書き出させた絵がSNSから流れてきた。
それらの生々しい感触に「これからすべき表現」をどうすれば良いか考える。
と同時に、AIが「リアルっぽい」絵を描くならば人間なら下手でも描いてみようと思った。
美術の歴史で19世紀に写真術が登場した時、新しい表現を探る画家たちは写真のように描くことを捨てた。
その歴史に倣うなら、AIとは別のリアリティが必要ではないか。
今こそ下手な絵を描きながら考える時ではないか。
21世紀のSNSには大量の食べ物が投稿される。
その多くは普段使いの褻の食ではなく、見栄えの良い食事やティータイムだ。
ならばAIへのカウンターとして描くものは「映える」ものであってはならない。
私たちの命や身体を支える日々の食事
その食事の中でも褻の代表的な食「茶漬け」を拙いデッサンで記録することにした。
お茶をご飯+αにかけて食べて記録可視化する「茶漬け図」である。
生活と生活の合間を抜って少しずつ可視化された「食」のうち数点を米粒型のドットに置き換えてさらに解像度を落とす。
人間は命を奪わなくては生きられないが、奪いすぎることの延長が戦争になる。
人類存続にも関わる食べることについて、奪うこと奪いすぎないことの間を行き来しつつ探りたい。
以下試作の画像を貼ります。
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米粒書画
2024-02-12T14:25:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421997
2024年もよろしくお願いします!!
遅ればせあけましておめでとうございます。
昨年から研究しているタンニンインク作り、茶漬け画とその展開、作り残している気泡シリーズのプリントも何とか
手をつけたいところです。
亡くなった父親が癌になり闘病を始めた年齢を過ぎました。
年明けてすぐの能...
遅ればせあけましておめでとうございます。
昨年から研究しているタンニンインク作り、茶漬け画とその展開、作り残している気泡シリーズのプリントも何とか
手をつけたいところです。
亡くなった父親が癌になり闘病を始めた年齢を過ぎました。
年明けてすぐの能登半島の地震や飛行機事故、終わらない戦争。
いつ何があってもおかしくない状況が続いていますので、やることはやっておきたい。
という気持ちです。
本年もよろしくお願いいたします。
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身辺もろもろ
2024-01-13T10:03:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421996
煎じ物について
画像はwikipediaより
「職人、さらに一般的にいって職能民のように、一般の平民とちがって、特異な能力をもち、
それを生業にしている人びと、、(以下略)」
網野善彦 『職人歌合』 平凡社 2012年 序文より
中世後期から江戸時代にかけて、職人を題材とし...
画像はwikipediaより
「職人、さらに一般的にいって職能民のように、一般の平民とちがって、特異な能力をもち、
それを生業にしている人びと、、(以下略)」
網野善彦 『職人歌合』 平凡社 2012年 序文より
中世後期から江戸時代にかけて、職人を題材とした「職人歌合」と呼ばれる絵巻が描かれています。
中世の人々にとって「職人」とは特殊技能を持つ者であり、異界と繋がることができると考えられて、畏怖を持たれていた存在。
その異能の人々に歌を詠ませる趣向の絵巻が複数作られました。
室町時代に成立したとされる職人歌合七十一番は142職の職人が対になって描かれており、二十四番目に市中で茶を売った職人の姿を見ることが出来ます。
当時は茶を作るのも淹れるのも特殊技能だったのか。と少し驚きます。
左に煎じ物売「おせんじ物おせんじ物」
右に一服一銭「粉葉の御茶、召し候へ」
どちらも高級な茶ではなく、「番茶」と呼ばれる自家製のテキトーな茶を使っていたと考えられていますが正確な記録は残っておらず、謎に包まれています。
煎じ物売りは覆面姿で、一服一銭は僧形の姿。
覆面姿についての解釈は諸説あるようなのですが、非人として扱われた者が覆面姿で描かれることが多いようです。
被差別の者、河原乞食、癩病を患った者であるなど何かと訳ありで世俗と距離を持たざるを得ない事情を持つ者と解釈されています。
一服一銭の僧形は世俗を絶って出家した姿です。どちらも浮世離れた姿の意味。
また、
佐倉の歴史民俗博物館の中世の部屋には覆面姿で描かれた煎じ物売の展示があります。
煎じ物について、解説プレートに以下のように記述されています。
「茶または枇杷葉・陳皮・乾薑などを煎じた飲み物」
薑(はじかみ)は生姜なのですね。
この煎じ物を再現したく、正確な再現は不可能としても、想像というか妄想したいと考えたのです。
昔の人々が好んで飲んでいたお茶どんな感じ?と。
お茶を通じて、時間を越えて昔の人と対話したい!って言ったら言い過ぎでしょうか。
ともかく、近所の漢方薬局に相談して、乾燥しただけの生姜(しょうきょう)と蒸して乾た乾姜(かんきょう)
の2種を分けていただきました。
本当は昨年開催した喫茶イベントメニューで出したいと考えて試作していました が、間に合わず。
一年を経てようやく美味しいと思えるようなお茶が作れるようになってきました。
当初は急須を使っていましたが、どうもはっきりしないので、小鍋で豪快にグラグラ沸かして煮出したら
「決まった!」感がありました。
もちろん茶漬けも順番にいろいろ試しています。
ご飯にかけると一気に薬膳の趣で、肉、魚、豆腐、納豆。どれと合わせても美味しいです。
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茶漬け記
2023-11-11T14:51:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421995
茶で墨を作る
以前、滋賀県の高校の美術の先生がペットボトル茶で墨を作る授業の記事を読んで試したことがあります。
お茶と美術をクロスさせる試みとして、これはやりたい!と思い試しましたが、
あまりうまくいかなかったので再トライしています。
スチールウールやステンレス...
以前、滋賀県の高校の美術の先生がペットボトル茶で墨を作る授業の記事を読んで試したことがあります。
お茶と美術をクロスさせる試みとして、これはやりたい!と思い試しましたが、
あまりうまくいかなかったので再トライしています。
スチールウールやステンレスたわし、塩、茶を使ってタンニンインクを試作しています。
タンニンインクとは、植物由来のタンニンと鉄、塩を合わせて9世紀からヨーロッパで作られてきたインクです。
没食子(虫こぶ)から抽出したタンニン成分と鉄、塩を合わせて、時祷書を書くのも没食子のタンニンインクが使われてきたとのこと。
タンニン成分はお茶にもふんだんに含まれていますので(カテキン)、お茶も鉄と合わせることによってインクや墨になる。
煎茶、番(晩)茶、釜炒り茶、スリランカ紅茶などで試作してみました。
またタンニン(カテキン)は高温で抽出される性質を持っていて、
急須に茶葉5g、熱湯注いで5分置いたものを使います。
水墨画の墨より軽くて淡いですが、牧谿とかの禅画っぽくもあり面白いです。
茶種によって墨色が違うので、いろいろ試してみたくなります☺️
ただpH値が高そうなのが気にかかるところで、紙だと長期保存は難しいかも?
ヨーロッパでは主に羊皮紙に使われていたようです
(検証が必要)
いづれにしても、身近な素材が画材になる!
ことは新鮮で面白く、びっくりしますよ!!
参考資料:
八波志保「素材と歴史から知る」、『form 形』、日本文教出版、2020年、12頁
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美術×茶
2023-11-03T09:07:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421994
茶漬け記
ここ数年一段と時間の経つのが早くなって
お久しぶりの投稿になります。
ちょうど一年前から徒然なるまま始めた茶漬け研究ですが、
一年前のブログ
あれから粛々と続いておりまして、夏の酷暑というか
生命の危険すら感じる気温の時期は、身体を補強するように...
ここ数年一段と時間の経つのが早くなって
お久しぶりの投稿になります。
ちょうど一年前から徒然なるまま始めた茶漬け研究ですが、
一年前のブログ
あれから粛々と続いておりまして、夏の酷暑というか
生命の危険すら感じる気温の時期は、身体を補強するように
香辛料を使ったものも試していました。
いっそう「サバイバル」の側面が強まりつつある茶漬けではありますが、
2023年11月現在210食を超えて、
スケッチブックは8冊目、
Facebookに記録しているアルバムも2部目が進行中です。
茶漬け記01
茶漬け記02
旧ツイッター(X)とInstagramのストーリーにも流していますが、まとめては
Facebookを見ていただけると幸いです。
366食を目標としています。
引き続きよろしくお願いいたします!!
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茶漬け記
2023-11-03T08:45:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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歴史を学ぶこと
4月より大学の講義仕事が今年も始まります。
今年も13回対面で2回分オンデマンド配信です。
私は制作者なので、「美術を制作」する観点から歴史を学ぶ意味や必要
をお話しすることを心がけてきました。
地球上の他の生物と違って、人間は歴史を編纂して現在にい...
4月より大学の講義仕事が今年も始まります。
今年も13回対面で2回分オンデマンド配信です。
私は制作者なので、「美術を制作」する観点から歴史を学ぶ意味や必要
をお話しすることを心がけてきました。
地球上の他の生物と違って、人間は歴史を編纂して現在にいたります。
科学には科学の、音楽には音楽の、、、さまざな分野にそれぞれの歴史があり、
もちろん美術にも。
それぞれの時代の制作者(アーティスト)はその時代時代の歴史の先端を作ってきて
それらが積み重ねられて歴史となっています。
その時代を象徴するもの、特に近代以降は前に作られたものを精査し批評しながら
前進したり後退したりを繰り返して歴史を積み上げて来ました。
歴史を知らないと美術の仕事はできないのです。
また、私たち人間は全て違う心と身体を持っています。
心や身体が独立することによって生命を保っている面もあります。
そんな人間同士が完全にわかり合うことは出来ません。
出来ないので、理解し合うための共通の依り代が必要です。
その依り代になり得るのはまずは人類の歴史であり、
その歴史を共有して初めて他人同士が対話出来るのです。
歴史を知って初めて「人間」としてお互いに関わり合える。
「分かり合える」ではないです。「関わり合える」です。←重要
ですから、私たちは歴史を知る必要があるということを前提に
美術の歴史についてお話しします。
制作の話に戻ると
自分にしか作り出せない表現を作ることは必須なのですが、それだけでは
他の人間がその表現の中に入ってゆくことが出来ません。
その表現に歴史と接続する作業を加えることで、他人をその世界に迎え入れる
ことが出来る。
美術は「自分の世界」に浸っているだけでは成立しない
シビアな側面もあるのです。
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講義
2023-03-31T11:05:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421992
日本茶とは?(二つの分類)
日本茶って何なの?
という疑問に対して
・製造方法(酸化発酵)で茶のタイプを分類する方法
・日本の歴史や文化への関わり方(茶文化)で分類するという
2つの視点を持つと理解しやすいのではないかと考えています。
まず、製造方法ですが
茶葉の「酸化...
日本茶って何なの?
という疑問に対して
・製造方法(酸化発酵)で茶のタイプを分類する方法
・日本の歴史や文化への関わり方(茶文化)で分類するという
2つの視点を持つと理解しやすいのではないかと考えています。
まず、製造方法ですが
茶葉の「酸化発酵」の度合いにより
・不発酵茶(緑茶、ほとんどの日本茶はここに当てはまる)
・微・半・中発酵茶(多少の酸化あり、包種茶、烏龍茶、白茶など)
・発酵茶(酸化発酵している。主に紅茶)
ややこしいのはお茶で「発酵」という言葉を使う時に、
茶葉の酵素が酸化することを発酵と呼んでしまっています。
この発酵は微生物を介在させないので本来ならば「酸化」とするところですが。。
この章では「酸化発酵」と表記しました。
加えてややこしいのは、
では微生物を介在させる「発酵」させた茶はないのか?
というとあるのです。これが!
その場合、微生物を介在させる本来の意味での発酵茶は「後発酵」とよばれています。
・後発酵茶(カビやバクテリアを介在させる。黒茶。中国のプーアル茶が有名、発酵食品である)
この4カテゴリーに分けられます。
また日本文化史から日本茶文化を分類してみます。
文化には上部構造と下部構造が合わさって一つの文化を形成する面があります。
茶文化の場合は
上部構造として:茶道や文人趣味の煎茶道
下部構造として:番茶
が挙げられます。
その他としては明治期以降に入ってきた紅茶、最近作られるようになってきた烏龍茶や白茶が
今後どう位置付けられるか?
というところで、
私の見える範囲ですと、紅茶を嗜む人の中にはゴスロリファッションと合わせて楽しんでいる。
という層を一定数お見かけします。
興味深いので今後も注視していきたい。
茶道や煎茶道はどちらも大陸(中国)から渡ってきた仏教にルーツがあり
茶道は臨済禅、煎茶道は黄檗禅の僧侶が持ち込んできた茶が根本にあります。
番茶は土地土地の暮らしに根付きながら広まってきたところがあり、
フリースタイルで特に決まりのないところからカテゴライズするのが難しいです。
番茶は新茶以降の時期に、2番目3番目に摘まれた葉が大きく育ってしまって
安価で取引される。
という順番という意味と
「番」という言葉そのものには「庶民の」という意味があるそうです。
食べるお茶である、振り茶、茶粥、茶飯、茶漬けもここです。
日本茶文化は「製造による分類」「文化による分類」二つの視点が重なり合って
成り立っていると考えています。
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茶文化
2023-03-23T11:38:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421991
《喫茶去》01
2/3~2/23まで
@pottari.tokyo の「文/ふみ」展に参加しています。
2/3のふみの日にちなんだ手紙をテーマに据えたメールアートの展覧会で
私はシルクスクリーンで作ったカードを出しています。
年賀に使ったイメージは実は途中で、これが完成版です。
一服お届け出来...
@pottari.tokyo の「文/ふみ」展に参加しています。
2/3のふみの日にちなんだ手紙をテーマに据えたメールアートの展覧会で
私はシルクスクリーンで作ったカードを出しています。
年賀に使ったイメージは実は途中で、これが完成版です。
一服お届け出来れば🍵と
《喫茶去》01
中面:煎茶 白地の紙(フリッター)に蛍+白
表面:茶ウサギ
・蛍光緑に白/蛍光紫
・シルバー / 蛍光赤
・シルバー / 金+黒
中面:抹茶 グレー地の紙(フリッター)に白
表面:茶ウサギ
・シルバー / 蛍
・蛍光緑に白/蛍光赤
・シルバー / 金+黒
紙サイズ:148×210mm(開いた状態)
技法:切り抜きシルクスクリーン(両面刷り)
価格 2500円(各)
マルチプル(サイン入り)
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版画
2023-02-10T10:23:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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お茶漬けアルバム
お茶漬けその後、、
誰に頼まれているわけでもなく、番茶文化を追いかけて何となく始めたお茶漬け研究ですが
粛々と続いています。
フェイスブックにお茶漬けの記録アルバムを作りました。
いくつかたまるとアップするようにしています。
時々覗いていただけると...
お茶漬けその後、、
誰に頼まれているわけでもなく、番茶文化を追いかけて何となく始めたお茶漬け研究ですが
粛々と続いています。
フェイスブックにお茶漬けの記録アルバムを作りました。
いくつかたまるとアップするようにしています。
時々覗いていただけると嬉しいです。
https://www.facebook.com/media/set/?vanity=chisato.saito.50&set=a.5634661133260376
日本茶インストラクター講座を通じて、国内(西日本)の番茶文化の豊かなことが
とても面白く、番茶、振り茶、茶粥と来てお茶漬けにポテンシャルを見つけて
始めたのがきっかけです。
伝統的な(?)お茶漬けではなく、身の回りにあるもので
手をかけず(←ここが大事)
ファストフードの感覚でお茶と具材を組んでみようかなぁ。と考えています。
なのでメインは出来合いのお惣菜を使うことが多いです。
手をかけない(大事なことなので繰り返しました)
具材の組み立てに参照しているのは、非常勤先の学食でイチオシの出汁茶漬け
夏だけの限定メニューです。
この時はメンチかつ
学食のものはお茶ではなく出汁なので、出汁をいろんなお茶に差し替えるところから始めました。
写真ではなく簡単なスケッチを画像に使っているのは、
食べられてくれる命に対する自分なりの敬意です。
食べざる得ない私たちにとっての「食」を一息ついて見返す試みとできれば。
食をエンタメ的に消費しないギリギリのところを探って
上手くないスケッチで「映えない」を心がけています。
「美術と茶活(藝術と生活)をまぎらかす」
をスローガンにしながら
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茶活
2023-01-18T10:23:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421989
あけましておめでとうございます
あけましておめでとうございます。
耳の垂れた黒うさぎを描いて、切り紙シルクスクリーンを作りました。
大学は版画専攻でしたが、切り紙手法は昨年初めて触りました。
カッターで描画部分を切っていきます。
デッサンやドローイングを版に転換した時に線に力...
あけましておめでとうございます。
耳の垂れた黒うさぎを描いて、切り紙シルクスクリーンを作りました。
大学は版画専攻でしたが、切り紙手法は昨年初めて触りました。
カッターで描画部分を切っていきます。
デッサンやドローイングを版に転換した時に線に力強さが出て面白いです。
今年は再びコツコツ作りためていこうと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
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版画
2023-01-06T09:36:29+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421988
2022個展での「拝見」の問答メモ
「気泡 ケ 藝術」に展示した作品は
築地の勝どき橋付近と豊洲の豊洲大橋からの風景を2期に分けて撮影したものです。
・2018年1~3月
・2021年1~3月(確認したら展示した作品はほとんど3月のもの)
5年築地で働いていたのですが、働き始めの時期がちょうど豊...
「気泡 ケ 藝術」に展示した作品は
築地の勝どき橋付近と豊洲の豊洲大橋からの風景を2期に分けて撮影したものです。
・2018年1~3月
・2021年1~3月(確認したら展示した作品はほとんど3月のもの)
5年築地で働いていたのですが、働き始めの時期がちょうど豊洲に移転するしないで
もめている渦中でした。
そうこうしているうちに汚染土の問題も出たりして、ここまでになったら行けないね。
とスタッフの間で話していたのですが
「来年の秋に無理やり行ってしまうらしいよ」という情報が(なかなか信じられなかった)
2017年の年末でした。
場内がなくなってしまうなら築地を撮っておこうと、年が明けた1月から撮影を開始。
週に3日の非正規の契約だったので、
仕事のない日にカメラと水槽を抱えて改めて築地に通いました。
寒い季節は毎日築地にいた気がします(笑)
この気泡シリーズは光が弱くないと球が綺麗に撮れないので、野外で撮影する時期は
冬から春。
それも天気の良い日ではなく曇りや雨の降る直前など光が拡散しているのが条件。
といっても、家を出る時に曇っていても現場に着いたら晴れていることも多々あり
そんな時は翳ったタイミングを狙います。
勝ち鬨橋の周りは、川の水面の反射と迫って立っているビルのガラスが反射しあって
光が絶妙に拡散しているエリアで、このシリーズの撮影に関してはベストだと言える
光が得られるのが、愛着のある土地である以上に足繁く通った理由です。
また、1・2月と3月は光が全く変わるので同じ場所で同じやり方でも、
違う絵が撮れるのも面白かった。
まさに一期一会の光と言ったところでしょうか。
1、2月は空気が澄んでいて光が鋭く、全体が水色に、
3月は春一番の嵐や黄砂や花粉が飛散して、光が柔らかく霞んだ絵が撮れます。
第2期は2021年で少し時間が開いています。
この間、持病が悪化して手術(2018年10月)したのが思いの外大掛かりで
身体にダメージがあり、2年弱カメラが担げなかったことから
手描きのドローイングで映像を作りました。
2019年の秋に増税が実施され築地から(日本人の)お客さんがザーッと引いて、
直後にコロナ禍がやってきて仕事が休職に、2021年の春に退職となりました。
休めて身体が回復できたのと時間が空いているのを幸いと再び
空になった築地と今度は移転先である豊洲を撮影しました。
2021年撮影分で今回展示したのは3月に撮影したものが多いです。
そして興味深いことに、築地では2018年と同じ場所で撮影していますが、
2021年に撮影したものは霞んでいながら色が鮮やか。
同じ場所、同じ季節、同じ撮り方なのに違うのです。
どうしてだろう?
とずっと思っていましたが、ある写真家の方と話している時に
「コロナ禍の影響では?」
という話になりました。
撮影を行った前年2020年は地球全体で人類の活動が感染症対策で制限されました。
人類が活動しなかったことで、海や山が綺麗になり環境問題が改善されたという
報告があったことは記憶に新しいと思います。
大まかに
・2018年1・2月→水色
・2018年3月→スモーキー、パステル
・2021年3月→スモーキーだが鮮やか
このシリーズは野外では逆光で撮影するので、炭酸の中に混入している
埃が画面に無数に写ります。
その埃をレタッチして消していますので、
かなり手を入れることになるので、真を写す「写真」と呼んで良いか迷うところです。
しかし、コントラストを増幅させているので不思議な色は出てきますが、
私が着色したものではなく、カメラが拾った色です。
合成はしませんし、ない要素を付け加えることはありません。
同じ場所同じ撮りかたで違う色や絵が出てくるのは、
時々の大気や光の変化を捉えていることになるので、
昔の写真の呼び方「光画」という意味であれば気泡シリーズは「写真」である。
と言って良いのでは?と考えを改める機会ともなりました。
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記録
2022-12-30T09:47:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421987
個展が終了しました
ギャラリーカメリアでの展覧会が無事に終了しました。
ありがとうございました。
いろいろなタイミングが重なり、ほとんど毎日数時間ずつ会場にいけました。
実は毎日会場に行けたのは活動を始めてから初めてのことです。
私個人は作品は自分なりに読み解きたいと...
ギャラリーカメリアでの展覧会が無事に終了しました。
ありがとうございました。
いろいろなタイミングが重なり、ほとんど毎日数時間ずつ会場にいけました。
実は毎日会場に行けたのは活動を始めてから初めてのことです。
私個人は作品は自分なりに読み解きたいというタイプなので、
展覧会場に作家さんがいらっしゃるのは良くも悪くもだと思っています。
でも今回は来てくださった方と沢山お話が出来ました。
写真家の方と大気や光の話をしたり
美術家の方と美術教育や墨の話をしたり
学芸員の方と歴史の話をしたり
友人たちは根気強く作品の話を聞いてくださいました。
私にとってとてもありがたい時間でした。
一方で「感染したので行けない」の連絡が続きました。
社会や政府に言わせると感染症は終わったことになりましたが、
実態はそうではないよね。と
療養中の方々の快癒を祈ります。どうかお大事に🍀
個人的に2022年は生活も体調も大荒れの一年でしたが
学んだことも多く、やるべきことができたのでありがたかったです。
サポートくださった
ギャラリーの原田直子さん、家族、友人たちに感謝いたします。
皆様良いお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。
当初直子さんにお願いしていた「拝見」の時間は
彼女に担っていただくとギャラリーとしての機能が失われることがわかり
(そりゃそうだ!)
各日、午後の時間数時間ずつ私が行いました。
いろいろな対話ができてとても有意義でした。
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気泡2022
2022-12-27T09:48:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421986
「気泡 ケ 藝術」ステイトメント
8日にスタートした個展の会場で配布しているステイトメントのテキストをアップします。
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気泡 ケ 藝術
2015年の暮れから2020年の3月まで築地の日本茶専門店で働いた。
世...
8日にスタートした個展の会場で配布しているステイトメントのテキストをアップします。
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気泡 ケ 藝術
2015年の暮れから2020年の3月まで築地の日本茶専門店で働いた。
世界的なパンデミックが始まるまで築地は、人々の生活を支える「褻(ケ )」の場所でありながら
「東京の観光地」となっていて、過剰なケがひっくり返りハレたかの混沌とした空間だった。
朝の地下鉄の改札口は観光客で溢れ日本語がほとんど聞こえてこない。
ここはどこだ?
中国、韓国、香港、台湾、マカオ、ベトナム、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、
インド、ロシア、イスラエル、ヨルダン、UAE、イラン、トルコ、エジプト、ケニア、イタリア、
フランス、スペイン、スイス、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグ、チェコ、オーストリア、
スウェーデン、デンマーク、アメリカ、カナダ、メキシコ、チリ、コスタリカ、アルゼンチン、
ペルー、ブラジルetc.
「Where did you come from?」と人々に尋ねたら返ってきた答えだ。
彼らに茶を振る舞い、急須の使い方や茶筅の振り方を片言の英語で必死に説明した。
茶を挟んだ異文化の人々との平和な時間を時々思い出す。
そういえば築地は幕末から明治にかけて外国人居留地だった歴史を持っていて、
そこに世界各地から再び人が集まるのは感慨深い。
(日本のサッカー発祥の地でもある)
ところで築地市場は1935年に日本橋から移転・開場した。関東大震災からの復興だった。
それから80年余を経て2018年10月6日に閉場、同月11日に豊洲市場が開場した。
築地市場の歴史は市場本体「なか」と場外市場「そと」が対で発展してきて、多くの会社が
「なか・そと」双方に店舗を持つ。
豊洲の新市場には「なか」のみが移転した形で、「そと」は築地に残っている。
今回の展覧会は、2018年の移転直前の築地市場、2021年に移転後・パンデミック下の豊洲
市場・築地市場跡周辺、2つの時期に撮影した画像のラムダプリントで構成する。
日々の営み(褻)と藝術は位相が異なる人間の営みだ。(文字は少し似ている)
しかし違う位相は地続きでもある。
生活の営みが過剰になると、境界を突破して何かとぶつかり稀に人文的な視点を持ち始める。
その稀有な邂逅をはす向かいの築地本願寺のお坊さんなら「縁」と呼ぶだろうか。
諸行無常の原理だけが不変の世界を私たちは今も昔も生きていて、近年は世界的な感染症の蔓延、
侵略による戦争、あらゆる物価の高騰、元首相の暗殺とカルトによる国家の支配、政治も経済も混乱が続いている。
苛烈さが加速する諸行無常の世界を見届けるだけでなく、
誰かに届けるためにケの営みを点や線や面に変換して重ね合わせてひっくり返す。
戦国時代、利休が市中に山居を生み出したのに倣って
斎藤ちさと
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テキスト
2022-12-11T21:44:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421985
ギャラリーカメリアにて個展します
本日12/8より12/25までギャラリーカメリアにて個展を行います。
個展タイトルの「ケ」はハレとケ のカタカナのケ です!
全体の空間には中小10点ほどのプリントと水墨画を1点展示しまして、
奥の部屋には箱に入ったプリントを40点弱持ち込んでいます。
7月に行っ...
本日12/8より12/25までギャラリーカメリアにて個展を行います。
個展タイトルの「ケ」はハレとケ のカタカナのケ です!
全体の空間には中小10点ほどのプリントと水墨画を1点展示しまして、
奥の部屋には箱に入ったプリントを40点弱持ち込んでいます。
7月に行った 喫茶ぜんぶわすれる と緩やかなセットという考え方です。
会場であるギャラリーの空間を茶室と捉えて、奥の部屋で
お茶会の「拝見」の形式をイメージしたビューイングを行います。
年末のお忙しい時期なので、全体をさっと見て帰りたい方も多いと思います。
それも大歓迎!
ですのでビューイングはご希望の方にお付き合いいただければと思います。
会場で気軽にお声がけください。
亭主は茶人(表千家教授)でもあるギャラリーカメリアの原田直子さんが務める予定ですが、
休憩時間などは私が交替している時もあります。
ちなみに今回はお茶そのものは出ません。悪しからず。
年末のお忙しい時期、そして何度目かの感染拡大の時期と重なってしまいましたが
ご無理のない範囲でご覧いただけましたら嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
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斎藤ちさと展 気泡 ケ 藝術
会期:2022年12月8日(木)―25(日) 12:00-19:00 火・水曜日休廊
会場:Gallery Camellia
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル502号
info@gallerycamellia.jp
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お知らせ
2022-12-08T09:08:00+09:00
斎藤ちさと
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個展2022
来月の12/8より個展を行います。
7月に行った 喫茶ぜんぶわすれる と緩やかなセットという考え方です
個展の方にはお茶は出ませんが、会場であるギャラリーの空間を茶室と捉えて
お茶会の「拝見」の形式をイメージしています。
亭主は茶人でもあるギャラリーカ...
来月の12/8より個展を行います。
7月に行った 喫茶ぜんぶわすれる と緩やかなセットという考え方です
個展の方にはお茶は出ませんが、会場であるギャラリーの空間を茶室と捉えて
お茶会の「拝見」の形式をイメージしています。
亭主は茶人でもあるギャラリーカメリアの原田直子さんが務める予定
(休憩時間などは私が交替している時もあります)
原田さんと出会ってから7年間、話し合いながら温めてきた構想がようやく実現します。
また近づきましたら詳細アップしますが、取り急ぎ概要です。
年末のお忙しい時期、そして何度目かの感染拡大の時期と重なってしまいましたが
ご無理のない範囲でご覧いただけましたら嬉しいです。
*******************************
斎藤ちさと展 気泡 ケ 藝術
会期:2022年12月8日(木)―25(日) 12:00-19:00 火・水曜日休廊
会場:Gallery Camellia
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル502号
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Instagram 作家ページ
作品リスト
https://www.instagram.com/chisatosaitobando/
日記
https://www.instagram.com/saitobandochisato/
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お知らせ
2022-11-17T08:50:00+09:00
斎藤ちさと
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贅沢茶漬け記
茶の歴史を紐解くと、人間と茶の付き合いは飲用より先に羹(あつもの)としての歴史があります。
「羹」とはスープのようなもので、茶葉や抽出液を食品や調味料として扱います。
日本においても独立した飲料としての歴史と並行して、「振り茶」と呼ばれる茶が西日本...
茶の歴史を紐解くと、人間と茶の付き合いは飲用より先に羹(あつもの)としての歴史があります。
「羹」とはスープのようなもので、茶葉や抽出液を食品や調味料として扱います。
日本においても独立した飲料としての歴史と並行して、「振り茶」と呼ばれる茶が西日本各地に
広がっていました。
振り茶は茶の抽出液を泡だてた所にご飯やお豆や漬物を淹れて食べる一種の茶漬けです。
そういえば、子供の頃に永谷園のお茶漬けの素とご飯にお茶をかけて食べるのが大好きでした。
ヨーロッパがサンドイッチなら、日本はお茶漬け!
というわけでいろんなお茶漬けを作って食べて記録することにします。
日本茶を軸にしていろいろなお茶を使ってみようかと。
例えば、一見お米に合わなそうな紅茶なら、ご飯にバターをまぶしてみるとか
(チベットのバター茶をヒントにしましたが、意外と美味しかった)
具材は余り物や近場で手に入るもので
「贅沢」なのは飲料として確実に美味しい茶を調味料としてお茶漬けに使ってしまう点にあります。
昔見たスペインのレストラン、エルブジのドキュメンタリーに抹茶をバターで溶いてお肉のソース
にしていた記憶がありますが、見た時はえ〜っ!と思いました。
今にしてみれば、彼らも茶を調味料と解釈したのだと理解できます。
記録をドローイングにしたのはちょっと理由があって、
SNSで美味しそうな食べ物を写真を載せてエンターテイメントとして楽しむことに少し躊躇があります。
生き物が生命を維持するのって、ほかの生き物の命を奪っていただくからで、
つまり私たちがいただくものは植物であっても動物であってもかつて生きていた何か。
食べることは、死の危険から回避される面から快楽が伴いますが、謙虚さを忘れたくないのです。
少し考えて、直接本能を全開にさせる画像でなく、絵の方が少し距離をもって見れるのではないかと。
デッサンのリハビリも兼ねて一石二鳥!
描いたらtwitterの本アカ に投稿します。
ボツボツ続けたいので緩めに見守っていただけると嬉しいです。
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茶文化
2022-10-12T11:33:00+09:00
斎藤ちさと
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水色見本帖
飲んだお茶の記録をSNSで取ってきましたが、昨年末よりお茶を「彫刻」や「絵画」と
見立てる、また味覚と視覚の領域をクロスさせるような視点を持つことは可能か?
と、考えるようにりました。
頭を整理するためテキストを書いておきます。
今後どのような形式で...
飲んだお茶の記録をSNSで取ってきましたが、昨年末よりお茶を「彫刻」や「絵画」と
見立てる、また味覚と視覚の領域をクロスさせるような視点を持つことは可能か?
と、考えるようにりました。
頭を整理するためテキストを書いておきます。
今後どのような形式でまとめるかは、もう少し考えてみたいと思います
Twitter(主戦場):https://twitter.com/ChisatoBando
Instagram(部分の画像):https://www.instagram.com/saitobandochisato/
*******************
水色見本帖
パンデミックで家にいる時間が増えて、段々と色々な種類のお茶を試すようになった。
煎茶、ほうじ茶、紅茶、釜炒り茶、烏龍茶、普洱茶、そして抹茶。
お茶にはカフェインが含まれていて、気分を変える効果がある。
お茶は香りを楽しみ舌で味わう嗜好品で液体なので形がない。
それで視覚で何が抽出できるかと言えば、当然「色」なのだ。
茶の抽出液の色彩は水色と書いて「すいしょく」と読む。
ガラスの耐熱カップに入れた茶は午前中ならニュートラルな色で撮れる。
この水色(すいしょく)は茶の製法により違ってくる。
大雑把に書くと茶は酸化発酵させると水色に赤みが入る。
烏龍茶など多少の酸化ならオレンジ色になるし、完全に酸化させた紅茶は紅い。
普洱茶に代表される黒茶は酸化発酵ではなく微生物に発酵させている。
(本来の意味での「発酵」)
それに対して煎茶や抹茶、中国や台湾の緑茶は発酵させない。
白っぽかったり黄色いあるいは鮮やかなグリーンのお茶。
ややこしいのはほうじ茶だ。ほうじ茶は発酵ではなく、酸化重合により茶色くなっている。
また、水色は湯量や茶葉の量とのバランスでも濃くなったり、薄くなったりする。
それはさておいて、地球上のいたるところで人類は茶を愛好してきて、この色を長い時間をかけて眺めてきた。
その水色を記録する。
画面の1/3~1/2くらいのスペースに茶を納めて、菓子にピントを合わせ、
水色をぼんやりとした色面として扱うルールを決めて、淡々と試行錯誤を進めていくうちに
ある抽象絵画が気になった。
モーリス・ルイスの<ヴェール>のシリーズだ。
MOMA所蔵 《あずき色》
このシリーズは絵の具を画面の上から絵の具を何重にも垂らしていく技法で作られていて、
画面の上で絵の具が混じり合って微妙な色が出現している。
小学校や中学の図工や美術の時間に絵の具を使った時に、バケツで筆を洗ったことを思い出してほしい。
複数の色を洗った後のバケツの水の色、何とも言えない赤茶色を。
あらゆる絵の具の色が混じり合うと、茶色っぽい色になる。
そのような原理を使ったあずき色の絵が上の画像だ。
絵の具が混じり合うことで、それぞれの色がお互いを食い合い茶色となる。
それに対して、カメラが捉える水色はRed,Green,Blueの3色の光の重なりで出来ている。
RGBの光を集めた水色を、物質としての絵の具の色と対比させて見れないだろうか。
と片目で意識しつつ考えながら作ることを試みている
斎藤ちさと
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茶日記
2022-09-19T16:17:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421981
ぜんぶわすれる 2022 室礼
二の席
入口からの眺め
二の席は
左側の作品 ‘Through the clover 1281’ 2003-2005年頃?
引っ越しにより発掘したプリントを今回の席のためにアクリル加工に仕立てました。
この作品を起点に旧作で空間を構成する試み。
‘Through the clover ’ シリーズ...
二の席
入口からの眺め
二の席は
左側の作品 ‘Through the clover 1281’ 2003-2005年頃?
引っ越しにより発掘したプリントを今回の席のためにアクリル加工に仕立てました。
この作品を起点に旧作で空間を構成する試み。
‘Through the clover ’ シリーズ小品
旧作のデータから傷などを取り除いたデータをラムダで出力しています。
‘Be in clover’
上)原画の水彩を初めて展示しました
下)作品本体のパーツ。経年劣化で破損して大部分が失われたのですがかろうじて残ったパーツ
二の席から一の席へ
今回は抹茶からスタートしました。
茶道具と掛け物《喫茶去》バンドウジロウ
一点のタイポグラフィが強い存在感を放ちました。
会記
上)一週目
下)二週目
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喫茶ぜんぶわすれる
2022-07-22T16:01:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421980
喫茶ぜんぶわすれる 2022 お茶とお菓子
・掛け物《喫茶去》バンドウジロウ
喫茶ぜんぶわすれる 2022は、ちょっとお茶でも飲んで行ってという意味合いの
「喫茶去」と共に始まりました。
お茶と添え菓子を記録しておきます
・抹茶 寂の白 柳桜園茶舗
菓子 葛焼き 岬屋
もともとこのイベントは6月...
・掛け物《喫茶去》バンドウジロウ
喫茶ぜんぶわすれる 2022は、ちょっとお茶でも飲んで行ってという意味合いの
「喫茶去」と共に始まりました。
お茶と添え菓子を記録しておきます
・抹茶 寂の白 柳桜園茶舗
菓子 葛焼き 岬屋
もともとこのイベントは6月に行う予定でしたが、どうしてもお菓子に葛焼きを使いたくて
岬屋さんに直子さんが談判したところ、7月入れば出来そう。ということで
時期を7月にずらしての開催となりました。
お茶は直子さんのセレクトした柳桜園さんのお抹茶。
そもそもお茶会の「お茶」とは濃茶のことでお薄は甲乙でいえば「乙」な位置づけだそうです。
・石鎚黒茶 炭酸だし さつき会
菓子 深山漬け(またたび) 会津葵(一週目)
菓子 乾燥西瓜 カイセイ(二週目)
斎藤の担当「珍」は黒茶です。
平安時代に空海が伝えたという伝承のある愛媛の石鎚黒茶を炭酸だしにしました。
お菓子は一週目が木天蓼、二週目が西瓜です。
・茯磚茶 お茶の専門店HOJO
菓子 索餅 よりより 福建
もう一つの黒茶は中国茶を。
モンゴル、チベット、ウイグルの人々が好むという大地のような味わいのお茶です。
お菓子は七夕の時期に食べられていた索餅を併せました。
喫茶ぜんぶわすれる 2022 終了いたしました。ありがとうございました!
お茶を挟んで、初対面同士のお客さまが良い場を作ってくださりありがたかったです。
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喫茶ぜんぶわすれる
2022-07-22T15:09:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421979
水墨画について
2011年頃から気泡シリーズは水墨画(山水図)を参照して画面を作ろうと考えてきました。
偶然撮れた埠頭とビルが水墨画のような画面になっているのを興味深く思ったのがきっかけです。
これを展開させたいと10年考えて試行錯誤してきました。
水墨画にはまったき...
2011年頃から気泡シリーズは水墨画(山水図)を参照して画面を作ろうと考えてきました。
偶然撮れた埠頭とビルが水墨画のような画面になっているのを興味深く思ったのがきっかけです。
これを展開させたいと10年考えて試行錯誤してきました。
水墨画にはまったきっかけは2002年に見た雪舟と雪村の展覧会でした。
その後、少しずつチェックを重ねてその後台湾に宋代の范寛の絵画を見に出かけたり、
勉強を積んできましたが、自分で水墨画そのものを描いたことはありませんでした!
そんなタイミングで、
これまた教材作りの研究として、初めて墨を摺って描く機会がありました。
工程に慣れていないこともあり、
一度引いた線は消せないという緊張感となりゆきにまかせるという塩梅が、想像の20倍くらい難しいです。
しかし筆を持つこと自体に喜びを感じるタイプなので、楽しい!
もっと描きたい気持ちが湧いてきます。
水墨画を参照した写真とそこからイメージや構造を水墨画に還元できれば面白いかもしれないですね。
下はお手本を描いたもののボツになった猿の絵(元絵は雪村)
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研究メモ
2022-06-29T15:48:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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喫茶 ぜんぶわすれる 「珍と乙」
お知らせ))
ひさしぶりに 喫茶ぜんぶわすれる を開催いたします!
今回のお茶はサムネイル画像の珍しい黒茶と乙な抹茶です。
喫茶のない日は室礼をご覧いただけます。
昨年末のアトリエ移動に伴い、作ったこと自体忘れていたプリントが出てきました。
これ...
お知らせ))
ひさしぶりに 喫茶ぜんぶわすれる を開催いたします!
今回のお茶はサムネイル画像の珍しい黒茶と乙な抹茶です。
喫茶のない日は室礼をご覧いただけます。
昨年末のアトリエ移動に伴い、作ったこと自体忘れていたプリントが出てきました。
これをアクリル加工してお披露目したい!と思ったのが今回の室礼の軸になっています。
また今回もバンドウジロウに言葉をお願いしました。
パンデミックが落ち着くまで、感染症対策の観点から
喫茶は知人に声をかけての開催となっておりますが、
(早く感染症が落ち着いて欲しいです)
室礼はイベントのない日にどなたでもご覧いただけますので
ご都合つきましたら是非お立ち寄りください!
展観の日 6/20(月),21(火), 23(木)、24(金)、25(土) 6/27(月),28(火), 30(木)、7/1(金) 7/4(月)、5(火), 7(木),8(金)
12:00~19:00
以下
******************
喫茶 ぜんぶわすれる 「珍と乙」
ふたたびの、ぜんぶわすれる です。
前回の開催から2年弱
感染症の様子を伺いつつ、原田直子はお茶のお稽古を続けて、斎藤ちさとは日本茶インストラクターの講座で学び資格を取得し、再開のタイミングを待っていました。
今回は斎藤ちさとの旧作、バンドウジロウの新作のタイポグラフィで室礼を構成します。
その中で抹茶と珍しい黒茶(石鎚黒茶、茯磚茶)をお楽しみください。
日々のよしなしごと、ぜんぶわすれていただけましたら幸いです。
喫茶 ぜんぶわすれる 「珍と乙」
◯2022年7月2(土)、9(土)
2 13:00〜 3 15:00〜 4 17:00〜
◯2022年7月3(日)、10(日)
1 11:00〜 2 13:00〜 3 15:00〜 4 17:00〜 各一時間程度・定員3名
◆展観の日 6/20(月),21(火), 23(木)、24(金)、25(土) 6/27(月),28(火), 30(木)、7/1(金) 7/4(月)、5(火), 7(木),8(金)
12:00~19:00
◆喫茶の日 7/2(土),7/3(日) 7/9(土),10(日)
◯会場
ギャラリーカメリア
〒104-0061 東京都中央区銀座1-9-8奥野ビル502号
◯メニュー 黒茶(石鎚黒茶、茯磚茶)と抹茶 お茶請け2種
平安時代に僧が唐から伝えたという黒茶に興味を持っています。
煎茶を始め、玉露、ほうじ茶,抹茶など日本茶の多くは茶葉を蒸して発酵させずに作りますが、
黒茶は茶の葉を蒸した後に微生物やカビを介在させて発酵させて作る「後発酵茶」です。
かつて黒茶は西日本各地で作られたとされていますが、長い年月のうちに廃れて
国内では 現在は富山、徳島、高知、愛媛の4箇所だけで作られています。
今回取り上げたいのは愛媛で作られている石鎚黒茶と中国の茯磚茶です。
石鎚黒茶は伝承によると空海が製法を伝えたとされて今に至る貴重なお茶です。
茯磚茶は中国で作られ、チベット、モンゴル、ウィグル族に好まれているお茶、
大地を頂いているような独特の香りや味わいが魅力のお茶です。
石鎚黒茶は冷して、茯磚茶は温かくご用意いたします。
また抹茶は「乙」な味わいのお茶を考えています。
お菓子は季節にちなんだものを2種ご用意いたします。
◯参加料として1500円頂戴いたします
◯室礼 斎藤ちさと、バンドウジロウ
◯亭主 斎藤ちさと(美術家・日本茶インストラクター)
原田直子(ギャラリーカメリア・茶人)
◯お申し込み メールにてお問い合わせください (原田直子)
info@gallerycamellia.jp
* 感染症対策のため会話は最小限として、静かな時間をお楽しみください。
また会と会の間の時間に消毒や換気を行います。
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お知らせ
2022-06-22T09:14:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421977
デッサンについて
今年度、農業大学のほか高校一年生の美術の授業を非常勤で担当することになりました。
基礎的な学力を育てたいという学校の方針もあり、「美術の基本」について考えつつ授業に取り組んでいます。
先日、鉛筆デッサンの授業にあたり
デッサンとは何か?
という話をしま...
基礎的な学力を育てたいという学校の方針もあり、「美術の基本」について考えつつ授業に取り組んでいます。
先日、鉛筆デッサンの授業にあたり
デッサンとは何か?
という話をしました。
いや、その前に私たち人間の目は何を見ているのか?何故見えるのか?という話から
隣の人の顔、暗闇だと見えませんね?
電気がつきます。
電気の光が隣の人に顔に当たって反射した光があなたの目に入ってきた状態が「見える」です。
鉛筆を使う、平塗りやハッチングやグラデーションを作る、練習をしたら幾何学形態を描いてみましょう。
(その漢字なんて書いてあるんですか?)
これは きかがくけいたい と読みます。今日覚えて帰りましょうね!
皆さんがこれから描くのはこの球体と立方体です。
まず立方体の描き方は水平線を描きます。その真ん中に垂直線を引きます。
上下左右が同じ長さになるように。その4点を目印に円を描くように「あたり」をつけていきます。
この時、輪郭をいきなり強く濃く描かないように。
できるだけ柔く優しく形を何度でも探っていきましょう。
なんか変だな?
と違和感を感じたら、それは大概間違っている形です。
根気よく修正して形を整えていきます。
デッサンでは「なんか変だな?」と気づくことがとても大切。
その変だな?を放っておくと、良いデッサンは描けません。
「変だな」と感じたことを「まぁいいか、何とかなる」と誤魔化さないで何度でも直していきましょう。
デッサンは形を簡潔に把握することです。
「簡潔に把握する」のは実は単純ではなくて、書き出しにあたりをつけて形が「狂わない」ように探って行きます。
ここを飛ばすと どう頑張っても良いデッサンになりません。
簡潔に至るまでに根気強く修正が必要で
とにかく、「なんか変だな?」の違和感を放っておかない、誤魔化さないこと。
何度でも修正します
違和感を感じたら対処する、対処できない状態ならスタート地点に戻って考えてみる。
生徒たちに話ながら、
これは絵を描く話でもあるけど、人生というか日々起こるあらゆることに対処する生活にも繋がる話だよな、と。
実は最近ある失敗がありました。
話が来た時点で違和感があったのですが、ズルズルやり過ごしてしまい
デッサンで言えばまさに「形が狂ってた」のを無視して最後に痛い目をみました。
人生にもデッサン力が必要!
初心に返って再度鍛えたいと思います。
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身辺もろもろ
2022-05-28T09:12:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421976
喫茶の室礼 'be in clover'
画像は ’be in clover’ という2000-2003年頃に制作したシリーズのものです。
昨年後半からの作品整理により忘れていたものを発掘していますが、
このプリントはPET紙というペットボトル素材のシートにインクジェットの顔料が乗っている
状態のプリントで触るとイ...
画像は ’be in clover’ という2000-2003年頃に制作したシリーズのものです。
昨年後半からの作品整理により忘れていたものを発掘していますが、
このプリントはPET紙というペットボトル素材のシートにインクジェットの顔料が乗っている
状態のプリントで触るとインクが剥がれてしまうとても脆い状態です。
Roland社という楽器作りで有名なメーカーが当時プリンターも作っていて、
アルバイトしていた富士ゼロックスの工房で試作させてもらいました。
空き時間や終業後に少しずつ自分の作品制作をさせていただいた貴重なプリントです。
貴重ですが、素材的に脆いことから、
加工して保存できるように額屋さんに相談したところです。
このプリントは今振り返ると、気泡シリーズの前身とも言える内容になっていますので
年末の個展に向けての前哨的なアプローチで6月の喫茶イベントの室礼として
お披露目できる予定です。
プリント以外にも本体の透明チップの小さなインスタレーションと水彩の原画も併せて展示
することを考えています。
そこにバンドウジロウの文字と彫刻をさらに組み合わせて仏教思想をベースに
茶文化空間を作る予定です。
この作品の前で飲むお茶はかなり面白くなるはず!!
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喫茶ぜんぶわすれる
2022-03-22T17:30:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421975
中世庶民のお茶
喫茶ぜんぶわすれる のためのスタディの記録です。
佐倉の国立歴史民俗博物館の常設展示・中世のコーナーに室町時代から江戸時代
にかけて市中で茶を売った「煎じ物売り」の展示があります。
フォーマルな茶の湯で使われる抹茶は今以上に高嶺の花で
関東以西の...
喫茶ぜんぶわすれる のためのスタディの記録です。
佐倉の国立歴史民俗博物館の常設展示・中世のコーナーに室町時代から江戸時代
にかけて市中で茶を売った「煎じ物売り」の展示があります。
フォーマルな茶の湯で使われる抹茶は今以上に高嶺の花で
関東以西の庶民は自家製の番茶などを粉末にして茶筅で点ててそれっぽく飲んだり、
自家栽培した番茶を煮出したりして飲んでいたと考えられています。
以前から日本茶の番茶文化に興味があり、喫茶ぜんぶわすれる の
メニューにも取り込みたいと考えていたので、
「煎じ物売り」の展示をヒントに試作してみました。
「茶またはびわの葉、陳皮、乾薑を煮出す」ということですが、
薑(はじかみ)って何??と調べたら生姜らしいので
近所の漢方薬局に相談したら、陳皮と乾生姜を分けていただけました。
漢方では
生姜を乾燥させたもの(生姜しょうきょう)
蒸した生姜を乾燥させたもの(乾姜かんきょう)
の2種類あるそうです。両方購入しましたが、今回は乾姜を使います。
そこに最近ご縁のできた松江の茶農家さんの番茶を合わせて
今回は急須でじっくりと抽出。
生薬が入ることで一気に漢方感が出ますが、なかなか悪くないです!
*お菓子が前回の投稿と同じ索餅なので、写真の見た目が前回と同じに見えますが、
お茶の中身が違います(わかりづらいですけど)
前回は 黒茶(バタバタ茶)+陳皮+桂皮(シナモン)
今回は ほうじ番茶+陳皮+乾姜
味は今回のものが飲みやすいです。
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喫茶ぜんぶわすれる
2022-03-16T10:13:00+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421974
黒茶について
喫茶イベント ‘ぜんぶわすれる’ 今年は6月に予定しています
画像は先日のミーティングの様子
今回は抹茶と古代の中世の日本に唐より伝来したとされる黒茶を扱いたいと考えて策を練っています。
茶の分類はまず酸化酵素の働きによる発酵を軸にして
「不発酵...
喫茶イベント ‘ぜんぶわすれる’ 今年は6月に予定しています
画像は先日のミーティングの様子
今回は抹茶と古代の中世の日本に唐より伝来したとされる黒茶を扱いたいと考えて策を練っています。
茶の分類はまず酸化酵素の働きによる発酵を軸にして
「不発酵」「半発酵(中発酵)」「発酵(完全発酵)」の3つに分けられます。
「緑茶」と分類されるものは不発酵で日本茶の多くがこれに当たるのですが、
それに対して中国茶の多くが烏龍茶などに代表される微発酵や半発酵のお茶に分類されます。
(中国の不発酵の緑茶ももちろんあります)
また紅茶は発酵茶(酸化発酵)です。
ややこしいのは紅茶、烏龍茶などの発酵は微生物によるものではなく、
酸化酵素の働きによるものなので厳密には「酸化」
では微生物を介在して作られる本来の「発酵」を使って作られるお茶は?
といえば中国の普洱茶に代表される黒茶で、
円形や方形に固められていることから団茶、餅茶とも呼ばれているお茶です。
日本には平安時代の遣唐使の僧侶たちによって黒茶が伝えられたとされていますが、
現存する黒茶は富山のバタバタ茶、徳島の阿波番(晩)茶、高知の碁石茶、愛媛の石鎚黒茶、
国内ではこの4つだけ
これらの茶は茶葉を蒸した後、カビや微生物を介在させて発酵させるため「後発酵茶」と呼ばれます。
空気を好む微生物に発酵させる好気発酵(主にカビによる)と、
空気を好まない微生物を介在させる嫌気発酵(バクテリア)の2種類があります。
中国雲南省の普洱茶は好気発酵です。
日本の黒茶は
富山のバタバタ茶はカビ付けによる好気発酵
徳島の阿波番(晩)茶はバクテリアによる嫌気発酵
高知の碁石茶、愛媛の石鎚黒茶は好気発酵と嫌気発酵、両方行う2段階発酵
好気発酵のお茶はカビやホコリっぽい味わいがあり、嫌気発酵のお茶は酸味が特徴になっています。
黒茶は茶が嗜好品になる前の、薬としてだったり
お寺や宮中行事に使われた時期のお茶なので
グルメ的な美味しさではありませんが
未知の味わいがあり、慣れてくると乙なものです。
また最近では発酵食品=健康食として注目されています。
未知の味覚をどのようにご紹介しようか楽しく悩んでいます!
参考文献
菊地和男『中国茶入門』講談社、1998年
NPO法人 日本茶インストラクター協会『日本茶インストラクター講座I』、2021年
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喫茶ぜんぶわすれる
2022-03-02T10:04:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421973
畳をいただきました
実家が畳を入れ替えるとのことで
廃棄する畳のうち綺麗な状態のものを譲ってもらいました。
今年に入ってアトリエ作りは、私の試験対策と制作がPC作業に入ったことで
毎週日曜日に少しずつ進めてきました。
(平日はバンドウが細々進めてくれていました。ありがと...
実家が畳を入れ替えるとのことで
廃棄する畳のうち綺麗な状態のものを譲ってもらいました。
今年に入ってアトリエ作りは、私の試験対策と制作がPC作業に入ったことで
毎週日曜日に少しずつ進めてきました。
(平日はバンドウが細々進めてくれていました。ありがとう!!)
先日は油とヤニが放置されて大変なことになっていた台所を
あの手この手で掃除して、ようやく白く塗装しました。
当初全体がベタベタこげ茶だったのが、油を剥がしたらクリーム色が出てきて
さらに拭き取って下地を塗って、ペンキで白くして空間になじませました。
棚は夫氏が試作している彫刻の小品を収納します。
次なるは木の壁を作りたいところですが
木材の高騰と残る予算が合わず少し延期することに
最低限の環境は整ってきましたので、しばらくはこれで制作して行こうか
と話しているところです。
畳は上げたり下げたりフレキシブルに活用します
早くも物が増えてきてにごちゃごちゃしつつありますが😹
無理やり畳で空間に余白を作るのは良いことかもしれないですね。
まずは一服
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アトリエ作り
2022-02-28T09:11:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421971
日本茶インストラクター認定試験
講座の記録に続き試験について
2021年度の認定試験は11月に学科、年明けて2月に実技が予定されていました
正直、講座の学習と試験に受かるための勉強は少し違っていると思います。
教科書の付録にポイントをまとめた冊子が付いていますので
試験に関しては、頭を...
2021年度の認定試験は11月に学科、年明けて2月に実技が予定されていました
正直、講座の学習と試験に受かるための勉強は少し違っていると思います。
教科書の付録にポイントをまとめた冊子が付いていますので
試験に関しては、頭を切り替えてこちらを重点的に学習しました。
7割正解で合格とのことですが、
10科目のうち一つでも点数が半分を切ると失格なのです(厳しい!)
全ての科目が最低5点取れて尚且つ全体で7割以上取る必要があります。
この際得意苦手意識は捨てて淡々と全てを満遍なく押さえるようにしてみてください。
またひっかけ問題の割合が少なくないので
これから受験される方は出題文を注意しながら読んでみてください。
(詳しい点数は明かされませんが、私はギリギリの通過だったと思っています)
実技に関しては当初5項目が課せられていました
1) 荒茶の茶期を判定する(茶葉の摘採期の早い順番に並べる)
2) 仕上げ茶の品質審査(品質の良い順に並べる)
3) 茶種の判定:提示された10種の茶葉の種類を見分ける
4) 仕上げ茶の内質審査(水色、滋味、茶殻から判定)
5) お茶淹れのデモンストレーション
(玉露、上級煎茶、中級煎茶、ほうじ茶より会場で一つ指定される)
直前にインストラクターの有志の先輩方による勉強会があり、
試験対策云々以上に3ヶ月くらい悩んでいたことを質問できたら秒で納得できて
非常にありがたかった。
対面授業の威力を再確認できましたし、単純にとても楽しかったです!
しかし、その直後に感染拡大で本試験が遠隔試験となり1)2)の内容のみに変更されました。
点数を取りやすそうな3)茶の判定と5)デモンストレーションが
なくなったのが痛かったです。
鑑定は勉強会でわかったつもりでも家に帰って教材の茶葉を見ると、
再びわからなくなり落ち込みました。
圧倒的に鑑定の経験値が低いので仕方ないなぁと思いつつ
そうこうしているうちに試験茶葉が自宅に送られてきて鑑定し、
終わった茶葉と回答を
結果がどうあっても、これが現時点での実力だと腹を括り返送しました
(誰かとの答え合せが判明したり、茶葉の写真をSNSなどに投稿すると失格とのこと)
最終的に2次の代替試験は全問正解で合格できましたが、運が良かったと思っています
2021年度の合格者は研修を受けることが条件に合格が出されていますが、
研修はむしろありがたいです。
今は再出発の心境で
心折れそうな時に励ましてくれた友人や家族にも感謝します!!
お茶を好きになる人がこれからも増えますように!!
(発表待ちに描いた落書きです)
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身辺もろもろ
2022-02-19T09:12:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421970
日本茶インストラクター通信講座
ご報告です)))
美術 × 茶! の活動充実を図るべく
昨年の6月より日本茶インストラクター通信講座を受講して資格試験に合格することができました。
アラフィフの勉強は楽しく苦しく面白く辛かったです。
講座の概要と個人的に思いついた所感を書きだしてみましたの...
美術 × 茶! の活動充実を図るべく
昨年の6月より日本茶インストラクター通信講座を受講して資格試験に合格することができました。
アラフィフの勉強は楽しく苦しく面白く辛かったです。
講座の概要と個人的に思いついた所感を書きだしてみましたので
ご興味ある方はお付き合いください
日本茶インストラクター講座の内容
1) 茶の歴史 2)茶の栽培 3)茶の製造法
4)茶の化学 5)茶の淹れ方 6)茶の健康科学 7)茶の利用
8)茶業概要 9)茶の品質審査と鑑定 10)インストラクション技術
上記の10科目で構成されており、
「茶」について歴史、農学、化学、健康科学、経済、法律、あらゆる角度からの基礎的な知識が得られる内容でした。
1)~4), 6)~8)は座学
5),9),10)はDVDを見ながら実習する実技です
お茶は農産物なので農学の要素が強い内容だったと思います
農学部の大学2年くらい?の座学+マニアックな歴史+プラクティスというイメージ
でギリギリついていけた内容でした。
これまで茶の歴史ヲタ自称していましたが、勉強してみて実力を自覚しまして
ヲタを自認するは当面撤回することにいたします。
教材は1)~3)、4)~7)、8)~10) 3回に分けて届きます
各回に課題があり、毎回先生からモチベーションを上げるような激励がコメントとして書き込まれてきました。
ありがたかったし、そこも勉強になりました。
9)茶の品質審査と鑑定 には茶葉と鑑定に必要な教材がドン!
と届きます。
DVDの教材も併せて学習しますが、なかなか鑑定の勘所が掴めず最後まで悩みました。
ちなみに、ここまでの課題で及第点を取れれば「日本茶アドバイザー」の資格が認定されます。
「日本茶インストラクター」資格はこの後に、座学と実技試験をクリアして取得する流れになっています。
次に日本茶インストラクター講座を受けて印象に残ったことを書き出して
みます(かなり個人的なメモです)
*********************************
・茶の消費量に関して世界の中で日本の個人消費は23位。世界の中においての日本人は大して茶を飲んでいないということがわかった。
ちなみに世界で茶を大量に飲む国民ベスト5は
1位トルコ、2位リビア、3位モロッコ、4位アイルランド、5位イギリス、
以下、香港、中国、カタール、スリランカ、台湾と続く
日本人は現在、茶を特化して愛好しているわけではない民であることが
良くも悪くも理解出来たことは講座を通しての一番の収穫だった。
(ちなみに国別消費では8位。日本で作られたお茶の多くを国外の人が飲んでいることになりますね)
↑美味いお茶淹れて飲んだことない人に飲んでもらう機会作ればいいじゃん!
つまりこれからよ!と思えた
・茶は「南方の嘉木」と呼ばれる植物
国内では経済的北限が新潟〜茨城のラインであることから、かつての東北以北のエリアの庶民にとって茶は身近にあるものではなく高級品。
日常的には白湯を飲んでいた。
対して西のエリアの庶民に多様な番茶文化が豊か(自家製茶など)
・かつて(明治期以降)日本は茶が一大輸出産業国であったが太平洋戦争により貿易が中断、
失速。戦後GHQの供給品に指定されたことで盛り返すが、1970年代を境に再び失速
・茶は食品。医薬品として承認されていないことから健康効果をうたうことは出来ない
(医薬品医療機器等法)
・しかしエピガロカテキンガレートは様々な効能が実証されている
・「生物的防除法」に興味が湧く
・2011年4月15日に「お茶の振興に関する法律」が成立している
お恥ずかしながら知らなかった。
茶業界の人々が自嘲気味に「お茶は斜陽産業だからさー」
と話す場面に何度か遭遇したので、この法案は全く生かされていないな。
というのが素朴な感想。
成立が民主党政権下であることから、民主党政権が作った法律をことごとく反故にしていった
あの政権がこの法律もシカトしたのでは?と勘ぐってしまう
・茶の分類はまず酸化酵素の働きによる発酵を軸にして
「不発酵」「半発酵(中発酵)」「発酵(完全発酵)」の3つに分けられる。
「緑茶」と分類されるものは不発酵で日本茶の多くがこれに当たる。
それに対して中国茶の多くが烏龍茶などに代表される微発酵や半発酵のお茶に分類される。
紅茶が発酵茶(酸化発酵)である
ややこしいのは紅茶、烏龍茶などの「発酵」は微生物によるものではなく、
酸化酵素の働きによるものなので厳密には「酸化」である。
では微生物を介在して作られるお茶は?
といえば中国の普洱茶に代表される黒茶で、円形や方形に固められていることから餅茶とも呼ばれることもある。
日本には平安時代の遣唐使の僧侶たちによって黒茶が伝えられたとされているが、
現存する黒茶はいまでは国内では4つだけ。
富山のバタバタ茶、高知の碁石茶、愛媛の石鎚黒茶、徳島の阿波晩茶が挙げられる。
これらの茶は茶葉を蒸した後、カビや微生物を介在させて発酵させるため「後発酵茶」と呼ばれている。
空気を好む微生物に発酵させる好気発酵と、空気を好まない微生物を介在させる嫌気発酵がある。
*********************************
なぜこの講座を受講したか?について
私は日本茶専門店で5年程接茶と販売に携わりましたが
知識が限定的で ふわっ としていた面をクリアにしたかった
という事がまず一つ。
それからお茶と美術を交差させる活動を行うに当たって、知識を体系的に身につけたい。
それが茶文化全体をリスペクトすることに繋がって、
茶を通して人間や社会を見直すきっかけになるだろうと考えました。
人間には耳で覚えるタイプと目で覚えるタイプがいると思いますが、
私は目で覚えるタイプで、ひたすらノートに要点を書き出して内容を脳に覚えさせました。
まず聞き慣れない言葉がたくさん出てきます。
その言葉たちに親しむことから初めて、最初は苦しいのですが、
繰り返し書き出して行くうちにスルッと腑に落ちる瞬間があります。
言ってみれば、知識が血肉化するとそこからようやく楽しくなる
「習うより慣れろ」です!
理解できるまで、地道に写経するように教科書の内容を書き出していくやり方は勉強法の一つとしてオススメいたします。
ふわっとしていた知識の解像度も上がったと思いますが、次なる疑問が湧いてきたのも事実で、
逆にわからないことが増えたところもあります。
アンテナを張って引き続き勉強する機会を作りたいです。
あと、これは結果的にという話ですが
歴史を除くカリキュラムが農学分野ベースであったことで
15年非常勤講師をしている東京農大の学生さんたちにここで少し歩み寄れたかな?
と思えたのが副産物的な収穫でした。
今後の抱負としては
お茶会みたいな展覧会を作りたいですし
展覧会みたいなお茶会をやりたい
まずは喫茶プロジェクトの ‘ぜんぶわすれる’ 頑張ってみます!
(試験編に続きます)
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身辺もろもろ
2022-02-18T09:25:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421968
掃除
気泡シリーズは逆光で撮るので、埃や塵が映り込んでしまう
画像処理を開始する前の準備作業として
画面のゴミ取り作業が必須です。
フォトショップの修復ブラシツールやブラシツールで根気よく消したり描いたりで
それが全工程の大半を占めています。
これがなかな...
気泡シリーズは逆光で撮るので、埃や塵が映り込んでしまう
画像処理を開始する前の準備作業として
画面のゴミ取り作業が必須です。
フォトショップの修復ブラシツールやブラシツールで根気よく消したり描いたりで
それが全工程の大半を占めています。
これがなかなか手強いのです😇
まずは大まかに消してようやく本作業で調整していきます
冷静に考えると、真を写すのが写真であるならば
これだけ描き込むと写真とは言えないな
と葛藤しながらはや十数年
修正することで描き出せる「真」もあろうかと思いつつ励みます。
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制作
2022-02-12T09:45:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421967
文章のスケッチ
進行中の作品について頭を整理すべく制作の経緯などテキストに
書き出してみました
原田直子さんと立ち上げた喫茶プロジェクト‘ぜんぶわすれる’
とも連動しています
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気泡《山と市場》
2015年の暮れから2020年の3...
進行中の作品について頭を整理すべく制作の経緯などテキストに
書き出してみました
原田直子さんと立ち上げた喫茶プロジェクト‘ぜんぶわすれる’
とも連動しています
*********************
気泡《山と市場》
2015年の暮れから2020年の3月まで築地の日本茶専門店で働いた。
(厳密にはコロナ休職で2021年の3月まで在籍)
世界的なパンデミックが始まるまでの築地は東京の台所であると同時に、完全に観光地で
朝の地下鉄改札口は日本語がほとんど聞こえない、
東京だが日本とは思えないという不思議な空間になっていた。
職場に茶を求めてやってきた人たちもありとあらゆる国からやってきていて
記憶している限りでは:
中国、韓国、香港、台湾、マカオ、ベトナム、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシア、インド、ロシア、UAE、イラン、トルコ、エジプト、ケニア、イタリア、フランス、スペイン、スイス、ドイツ、オランダ、ルクセンブルグ、チェコ、オーストリア、スウェーデン、デンマーク、アメリカ、カナダ、メキシコ、チリ、コスタリカ、アルゼンチン、ペルー、ブラジルetc.
彼らに茶を振る舞い、時に急須の使い方や茶筅の振り方を片言の英語で必死に説明した。
異文化の人々との茶を挟んだ時間は平和だった
と同時にアジアの人々の羽振りの良さから日本社会の凋落をイヤでも自覚せざるを得ず、
複雑な感情を抑えて茶を淹れ続けていた。
ところで、1935年に日本橋から移転・開場した築地市場は2018年10月6日に閉場し、
同年10月11日に豊洲市場が開場した。
築地市場の歴史は市場本体「なか」と場外市場「そと」がセットで発展してきて
多くの会社が「なかとそと」に店舗を持つ
豊洲には「なか」のみが移転して「そと」はまだ築地に残っている。
市場移転のすったもんだ問題に関しては思うところはあるが、ここには書かない。
とにかく2018年に入り「なかが本当に移転する(!)」と聞き
築地に私なりのやり方で向き合っておこうと非番の日にカメラと炭酸水を持って築地に通った。
しかしその後持病が悪化して手術やリハビリ期間を経て
再び機材を持って出かけることが出来るようになったのは2021年の春である。
2018年は稼働している築地市場と周辺を
2021年に豊洲市場、築地市場の跡地
その合間に撮った花などを撮影したデータをまとめてようやくプリントしている。
豊洲市場は「感染症の拡大は飲食店が原因」とされた事でコロナ渦に巻き込まれた形で
21世紀の市場は受難と苦難の連続に置かれている。
ちなみに豊洲市場の運河を挟んだお向かいは
2021年に開催された東京オリンピックの「オリンピック村」だ
恐らく国民の多くがあのお祭りのことなど既に忘れてしまっているだろうけど
この世は諸行無常
「なか」は築地から去り、私もまた築地から去ったがその時の光と色をここに記録しておく。
斎藤ちさと
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テキスト
2022-02-05T17:33:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421966
改めて山
気泡《日の出桟橋》[1105_9945]
2008-2010 ラムダプリント (ed.1/1) 550 × 366 mm
2008年に日の出桟橋を撮影したデータです。
画面が暗いのと作品として強すぎて、他の作品と並べた時に整合性がとれずに
発表しそびれていますが、
不世出のこの作品がここ10年...
気泡《日の出桟橋》[1105_9945]
2008-2010 ラムダプリント (ed.1/1) 550 × 366 mm
2008年に日の出桟橋を撮影したデータです。
画面が暗いのと作品として強すぎて、他の作品と並べた時に整合性がとれずに
発表しそびれていますが、
不世出のこの作品がここ10年以上自分の中の核となってきました。
いわば私の本心と言えるかもしれない
この日、2008年11月5日はターニングポイントと呼べる作品が何点か撮れています。
撮影したデータをプリントした時に、気泡の中に風景が映ることを発見しましたし
同時にビルが山のように思えて、新しい山水画を作れるのでは?と自身に問うてきました。
手元において
制作の過程で迷うことがあればここに帰ってくる大切な作品です。
いよいよという感じで、満を持して年末の個展で展示したいと思っています。
今試作している作品も貼ります。
昨年築地市場跡地を撮ったものです。
ここ数年は作品を作っているときに経済や体力の関係からいつまで作れるだろうか
これが最後かもしれないからと毎回覚悟しながら悔いのないよう作ってきましたが、
病気や年齢や感染症の流行などを考えると、人間はいつどうなるか解らない儚い存在です。
悔いの残らないように精一杯作ろう!
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気泡2022
2022-01-29T10:24:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421965
制作再開
アトリエの普請は少しお休みで、私・バンドウとも制作を再開しています。
私は家で地道な画像処理の作業です。
昨年撮影したデータを整理していますが、100点超数に絞れたところで
本当は全部作れたら良いのでしょうけど、時間と予算の兼ね合いになりそう
家で...
アトリエの普請は少しお休みで、私・バンドウとも制作を再開しています。
私は家で地道な画像処理の作業です。
昨年撮影したデータを整理していますが、100点超数に絞れたところで
本当は全部作れたら良いのでしょうけど、時間と予算の兼ね合いになりそう
家での作業が当面多いですが、アトリエは採光が良くてプリントの色合いを判断するのに
良い環境ができていますので、ちょいちょいアトリエに運んで確認しつつ
画像は昨年撮影した豊洲市場です。
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気泡2022
2022-01-27T11:22:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421964
雪中のアトリエ
年が明けて関東にも雪が降りまして、予報に反して積もりました!
その雪が残る中、ギャラリーカメリアの原田直子さんがアトリエに打ち合わせに
来られました。
お茶と展示の作戦会議です。
お茶の方は日本茶をざっと網羅して試飲してみまして
煎茶(深蒸し、...
年が明けて関東にも雪が降りまして、予報に反して積もりました!
その雪が残る中、ギャラリーカメリアの原田直子さんがアトリエに打ち合わせに
来られました。
お茶と展示の作戦会議です。
お茶の方は日本茶をざっと網羅して試飲してみまして
煎茶(深蒸し、普通(浅蒸し))、玉緑茶(釜炒り茶、蒸し製)、玉露、かぶせ茶
和製烏龍茶、和紅茶、碾茶(抹茶の原料)、ほうじ茶。の10種。
画像は碾茶とほうじ茶の茶葉に大胆に熱湯を注いで茶葉が開いたら葉を取り出して
味をみます。
10種類飲んだらお腹いっぱい!
普段はぬるま湯で抽出する玉露も熱湯で出しましたが
苦くて旨くて美味しかったです!(贅沢!)
番茶もバタバタ茶、ボテボテ茶を用意しましたが
飲みきれず次回に持ち越しとなりました。
感染が再び拡大して見通しが難しい社会情勢ではありますが、
6月に喫茶ぜんぶ忘れる
12月に個展
をギャラリーカメリアにて行う予定となりました。
臨機応変に動くことが予測されますが、最善を尽くします。
改めて、本年もよろしくお願いいたします。
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アトリエ作り
2022-01-10T08:07:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421963
あけましておめでとうございます
遅ればせ新年おめでとうございます。
年末年始バタバタしましてご挨拶遅れましたが
本年もよろしくお願いいたします。
年賀のトラさんいろいろ。。(トップを採用しました)
最近動物を描く時に気をぬくと全部顔がうちの猫に似てきちゃう!
遅ればせ新年おめでとうございます。
年末年始バタバタしましてご挨拶遅れましたが
本年もよろしくお願いいたします。
年賀のトラさんいろいろ。。(トップを採用しました)
最近動物を描く時に気をぬくと全部顔がうちの猫に似てきちゃう!
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DRAWING
2022-01-08T11:26:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421962
照明設置完了
無事に照明器具の設置終わり、インフラ関係がひと段落しました☺
11/2の朝の状態再掲します。
昭和な団地の和室×2と手前が板張りの台所でした。
前の住人の方の残したヤニが相当しつこくて、掃除にかなりの時間を取られましたが
諦めずに手をかけて行っ...
無事に照明器具の設置終わり、インフラ関係がひと段落しました☺
11/2の朝の状態再掲します。
昭和な団地の和室×2と手前が板張りの台所でした。
前の住人の方の残したヤニが相当しつこくて、掃除にかなりの時間を取られましたが
諦めずに手をかけて行ったら
12/27時点で白い骨みたいな空間になり、とても気に入っています。
YOU TUBEのお掃除チャンネルを見て
お掃除用品に妙に詳しくなったり(笑)少し前の私たちにはありえないようなことが
たくさんありました。
2ヶ月ほどで随分と遠くに来たような気分です(ほぼ出かけられていないのですが)
今後、右側には木の壁を作りたいですし、これから畳やら机やら持ち込むのでごちゃごちゃしてくると思います
何にせよ楽しみます!
気づいたらお向かいの山が冬になっていました。
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アトリエ作り
2021-12-27T21:13:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421961
インフラ工事・大掃除・初仕事
床が塗れてから、水道管交換の工事(解体工事あり)→解体部分の復帰工事→
電気の配線工事
と、怒濤のインフラ工事が続きました。
水道は金子工務店さん、復帰工事は木村建造さん、電気の配線は松丸電気商会さん。
ややこしい作業をありがとうございました!!
また...
床が塗れてから、水道管交換の工事(解体工事あり)→解体部分の復帰工事→
電気の配線工事
と、怒濤のインフラ工事が続きました。
水道は金子工務店さん、復帰工事は木村建造さん、電気の配線は松丸電気商会さん。
ややこしい作業をありがとうございました!!
またカッコいいプロの仕事が間近で見れて楽しかった〜!!
大掃除をして、まだ工事中ではありますが昨日お客様をお迎えしての
新アトリエでの初仕事でした。
ある出版社の取材のため、古い作品もいくつか取り出して空間に置いてみました。
なんかそれらしく見えますね!
来週に照明器具のスイッチがつきます。
(現状はブレーカーの上げ下げで明かりをつけたり消したりのワイルドな生活。。)
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アトリエ作り
2021-12-25T08:06:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421960
床のペイント
下地シーラーを塗った後、
床をグレーのペンキで片面ずつ2回塗っています。
3/4塗れた状態。
左側をもう一回。
だんだんとスタジオらしくなってきました。
下地シーラーを塗った後、
床をグレーのペンキで片面ずつ2回塗っています。
3/4塗れた状態。
左側をもう一回。
だんだんとスタジオらしくなってきました。
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アトリエ作り
2021-12-18T20:50:21+09:00
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421959
作品引越し
下地を塗った段階の床ですが作品の引越し予定日となり、
アトリエに大中作品・画材・道具類・棚などなどがどーんときました(上中段)
中小作品は自宅の納戸を整備しているところ(下段)
2トントラックで来ていただいたにも関わらず笑顔で2往復くださった...
下地を塗った段階の床ですが作品の引越し予定日となり、
アトリエに大中作品・画材・道具類・棚などなどがどーんときました(上中段)
中小作品は自宅の納戸を整備しているところ(下段)
2トントラックで来ていただいたにも関わらず笑顔で2往復くださった
トータルアートサービスの樋口さん、磯村さんには感謝しかありません。
床は物をまとめてスペースを作りながら、半分ずつを2度塗りして行きます。
今日は半分の最初の塗りでした。
下地を塗っておいたけどコンクリートがゴクゴクという感触でペンキを吸い込んでいきました。。
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アトリエ作り
2021-12-15T21:45:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421958
廊下のペイント
廊下も白くペイントしました。
スタジオ部分と連続性が出来てドアを開けた瞬間に
「作るぞー」
と思えそうです。
スタジオ部分は
<左:作品保管用の部屋/右:トイレ洗面所風呂場>を残して壁を払ってワンフロアにしました。
改めて眺めると、日本の住宅建...
廊下も白くペイントしました。
スタジオ部分と連続性が出来てドアを開けた瞬間に
「作るぞー」
と思えそうです。
スタジオ部分は
<左:作品保管用の部屋/右:トイレ洗面所風呂場>を残して壁を払ってワンフロアにしました。
改めて眺めると、日本の住宅建築の工法は木材で床が上げてあってそこに壁を立てて箱型
が出来ているのがよく解ります。
私たちは浮いた箱の中で暮らしているのだなぁ、と。
明日は導線の真ん中を横切るガス管を裁断する工事を京葉ガスにお願いしています。
来週開けには作品をドカンと搬入しなくてはいけないのですが、
スタジオの内装も旧アトリエの片付けもここから踏ん張りどころ。
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アトリエ作り
2021-12-07T07:59:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421957
スタジオ部分 壁・天井塗装完了
スタジオ部分の壁と天井を白ペンキで塗装しました。
雑巾掛け→シーラー→粗塗り→本塗り→仕上げ塗り
天井の塗装が厄介で苦労しました。
・画像見えている左部分と手前のキッチンの天井が外装で見かけるボツボツのテクスチャーで
凸凹面に大量のヤニがこびりついて...
スタジオ部分の壁と天井を白ペンキで塗装しました。
雑巾掛け→シーラー→粗塗り→本塗り→仕上げ塗り
天井の塗装が厄介で苦労しました。
・画像見えている左部分と手前のキッチンの天井が外装で見かけるボツボツのテクスチャーで
凸凹面に大量のヤニがこびりついている→掃除
・右部分は謎の断熱材が直に貼り付いていたものを可能な限り削り落とした
謎の断熱材は固めて封じまして、
一方ヤニは拭き取って掃除しても、固めてもじわじわ染みて手強かったです。
喫煙者と非喫煙者で賃料変えても良いのでは?と思うレベルでした。。
次は作品保管室の清掃と廊下の塗装です。
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アトリエ作り
2021-12-04T08:04:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421956
祖母からのギフト
アトリエを移動させる際に大きな課題の一つが作品の整理と移動です。
スタジオ作りと並行して、作品の整理とその整理した作品を
自宅で保管/アトリエで保管
に仕分けています。
また保管場所が広くないため、曖昧にとっておいた作品や習作は処分する必要に
迫...
アトリエを移動させる際に大きな課題の一つが作品の整理と移動です。
スタジオ作りと並行して、作品の整理とその整理した作品を
自宅で保管/アトリエで保管
に仕分けています。
また保管場所が広くないため、曖昧にとっておいた作品や習作は処分する必要に
迫られていて、心を鬼にして整理しています。
同時に母も終活を兼ねて、私物と家のあれこれを同時に整理していて私も所々で
一緒にチェックしています。
先週、母から「師範」の焼印が押してある板が出て来たよ。
と言われて見て見ると、自分の雅号が入った看板でした。
祖母に習った草月流のいけばなは、18歳で入門して25歳まで稽古して
師範の(下から2番目ですが)免状を取ったのですが、
学生生活が終わり、アルバイトと作家活動の両立の中で稽古を続けることが
難しくなり、祖母も亡くなって中途半端に終了しました。
祖母が亡くなって20年経ちましたが、亡くなる前に私用に看板を作ってくれていことが
今回の発掘によりわかりました。
捨てていいよね?(お花の先生はやらないんでしょ?の意味)
と母は言いますが、私が祖母の看板と一緒に保管することにします。
だって自分の造形力の半分はいけばなで培ったものだと思うから。
左のピカピカが私のもの。
右の年季入った祖母のものは、祖母の師匠で家元・勅使河原蒼風の直筆。
流石だわ。
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アトリエ作り
2021-11-27T20:26:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421955
コツコツと
アトリエ作り。
コツコツ進めています。
コンクリートに直接貼られた壁紙や断熱材を削って、天井にこびりついたヤニをマイペットで
拭き取りましたが、壁も天井もなかなか難物。
取りきれない部分は諦めシーラーで固めました。
固めたところを白いペンキで数...
アトリエ作り。
コツコツ進めています。
コンクリートに直接貼られた壁紙や断熱材を削って、天井にこびりついたヤニをマイペットで
拭き取りましたが、壁も天井もなかなか難物。
取りきれない部分は諦めシーラーで固めました。
固めたところを白いペンキで数回に分けて塗装します。
ようやく最初の粗塗りが出来て空間をイメージすることができるようになった!
まだまだ続きます。
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アトリエ作り
2021-11-22T17:54:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421954
地味な作業
アトリエ作り。
コンクリートの壁と天井に直接貼られた(!)壁紙と断熱材を剥がしています。
(今の内装の常識からするとありえないことらしい)
地味で地道な作業です。
壁には紙で裏打ちが施してありそれが取れない。
断熱材もかなりべったりでどちらも綺麗に...
アトリエ作り。
コンクリートの壁と天井に直接貼られた(!)壁紙と断熱材を剥がしています。
(今の内装の常識からするとありえないことらしい)
地味で地道な作業です。
壁には紙で裏打ちが施してありそれが取れない。
断熱材もかなりべったりでどちらも綺麗に剥がすのは無理なので、最終的には
プライマーで固めてペンキ塗るしかなさそう。
窓側の空間は大体剥がれました。
台所を残した内側は少しずつ進めています。
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アトリエ作り
2021-11-12T08:20:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421953
スケルトン工事
アトリエを作る。続き
10年近く放置されていた物件、まずはトイレと台所掃除を行い
次はスケルトン工事です。
先日、木村建造の木村光行さん・千葉さん・山ちゃんチームの手をお借りして
畳と床、真ん中の壁を撤去する作業を行いました。
お三方はつくばで巨大...
アトリエを作る。続き
10年近く放置されていた物件、まずはトイレと台所掃除を行い
次はスケルトン工事です。
先日、木村建造 の木村光行さん・千葉さん・山ちゃんチームの手をお借りして
畳と床、真ん中の壁を撤去する作業を行いました。
お三方はつくばで巨大木造建築の構造実験を行うチームのメンバーです。
私とバンドウは助手としてお掃除と廃材運搬を担いました。(猫の手)
2日ほど日にちをとっていましたが、一日でほぼ方が付いた感じです。
プロの手際を間近で見れてすごく楽しかったし刺激を受けました。
コンクリート壁に直接壁紙や断熱材が貼られていました(!)
高度経済成長の昭和って勢いあるけどすごくテキトーなところがある。
でもそのテキトーさは私達の世代にとっては懐かしいところもあり嫌いになれないです。
壁紙や断熱材などを剥がせばスケルトンの状態に近づきますが、かなりべったり
貼られているので綺麗に剥がすのは無理そうで、
ある程度剥がせたら上からペンキ塗ろうと話しています。
実家の片付けも佳境なので少しずつ地道に進めます!
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身辺もろもろ
2021-11-04T08:56:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421952
アトリエを移動します
壁立ててペンキ塗って床を貼って作った実家アトリエを退去することになりました。
引越し先はご縁あって近場に
築50年の訳あり改装可のマンションの部屋をお借りできることに。
画像のように今は和室ですが、
解体してコンクリートむき出しのワイルドな空間になり...
壁立ててペンキ塗って床を貼って作った実家アトリエを退去することになりました。
引越し先はご縁あって近場に
築50年の訳あり改装可のマンションの部屋をお借りできることに。
画像のように今は和室ですが、
解体してコンクリートむき出しのワイルドな空間になります。
工事は下のフロアに入居されている大工さんにお願いすることになりました。
解体後は自分たちでぼちぼち空間を作っていくつもりです。
また壁作って白く塗るんだ(デジャヴか)。
周りの入居者さんもクリエイターの方が多いみたいなのでなんか嬉しい。
いろいろ楽しみになっています。
駅から歩いて20分弱の秘境感ある場所なので
遊びに来てくれた人には美味しいお茶を出したいと思っています。
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身辺もろもろ
2021-10-25T20:58:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
-
http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421951
『茶の文化 その総合的研究』序文
梅棹忠夫が監修した『茶の文化 その総合的研究』が届きました。監修の言葉として
「本書『茶の文化 その総合的研究』第一部、第二部二巻は「人類にとってお茶とは何か」
という命題を巡って、それぞれの分野の専門家たちが、討論の場でかたりあった記録であり
...
梅棹忠夫が監修した『茶の文化 その総合的研究』が届きました。監修の言葉として
「本書『茶の文化 その総合的研究』第一部、第二部二巻は「人類にとってお茶とは何か」
という命題を巡って、それぞれの分野の専門家たちが、討論の場でかたりあった記録であり
論文に書き綴った論集である。
本書であつかわれる「茶の文化」とは、日本のお茶あるいは茶道のことばかりではない。
それらは本書でも、もちろん主要な話題のひとつになってはいるが、
しかし本書が解明しようとしているのは、ひろく、茶と人間のかかわり方の、
古今東西にわたる諸様相なのである。本書は茶と人のであう古代から、
茶が世界の飲料となる現代までを、スケールの大きな視野のもとに、
一望におさめる。
本書の意図するところは、茶の文化の全体像を緻密な実証的研究によって
えがきだすことにある。 (以下略)」
1980年代の国立民族博物館では世界の茶文化を研究発表していく動き
があったということで、まさにこれだわ。
私の触れたいこと知りたいことは!
目次を見ると、茶関係の本を収集している身からすると
震えるレベルの豪華メンバー。
まだじっくり読む時間が取れていないのですが、焦らず読みます。
そしてこれから自分ができることを考えたいと思います。
目次に登場するメンバーが凄すぎる。。
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茶文化
2021-10-11T17:19:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421950
民族学と民俗学とわくわく
以前一回り若い友人の「(茶道以外の)お茶は民芸だと思う」
という言葉にハッとしました。
それからずっと考えています。
民芸というと濱田庄司とか柳宗悦のあれです。
確かにそういう見方をすれば
茶道は別として、煎茶道も茶道のカウンターですからこの場合は...
以前一回り若い友人の「(茶道以外の)お茶は民芸だと思う」
という言葉にハッとしました。
それからずっと考えています。
民芸というと濱田庄司とか柳宗悦のあれです。
確かにそういう見方をすれば
茶道は別として、煎茶道も茶道のカウンターですからこの場合は保留にした上で
各地の番茶文化を調べていくと、
民芸→民俗学として読み解くことができてとても興味深いです。
少し広げて世界各地の茶文化を俯瞰して見ると。
中東や中央アジアの紅茶だったり、インドのチャイ、チベットやモンゴルのバター茶、
イギリスの紅茶文化。またはミャンマーの食べるお茶ラペソーなどからその土地に
生きる人々について考察したり、人間としての根底的な普遍を読み解く
民族学としての面白さもあります。
茶道、特に利休の生き様などを解いた本は山ほどありますが、
民族学や民俗学として「茶」を研究対象にしている研究者はいるのか?
そもそもその分野の研究はどの程度されているのか??
あるなら読みたい!
と思っていたところ、国立民族博物館を立ち上げた民族学者の梅棹忠夫の
著書を見つけて函館の古本屋さんから取り寄せています!
昨日 発送しました。の連絡がきたので待ちわびているところです。
この件は後日改めて!
入間市博物館の中にお茶の博物館がありまして、
素晴らしい内容の常設展示を見ることができます。
室町時代の庶民の茶として寺の門前に一服一銭で抹茶を飲ませて
いたのが「珍皇寺参詣曼荼羅図」に描かれています。
その様子を再現した展示。
各地の番茶文化、奈良の振り茶、富山のバタバタ茶、島根のボテボテ茶、沖縄のブクブク茶
入間市博物館の中にお茶の博物館の展示より
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茶文化
2021-10-07T10:11:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421949
Camellia Selection 2021 日々の泡
ギャラリーカメリアにて開催中のビューイング「日々の泡」にて小品を15点ほどご紹介いただいています。
今回のビューイングはコロナ禍の状況を踏まえてオンラインと対面の双方で、
私の作品は対面では2点空間に展示されて、13点は原田さんが1点1点紹介くださいま...
ギャラリーカメリアにて開催中のビューイング「日々の泡」にて小品を15点ほどご紹介いただいています。
今回のビューイングはコロナ禍の状況を踏まえてオンラインと対面の双方で、
私の作品は対面では2点空間に展示されて、13点は原田さんが1点1点紹介くださいます。
ギャラリーカメリアを主催している原田直子さんは茶人でもあり、
空間全体がお茶席を思わせるものになっていて、お茶はないけどお茶会の趣です。
感染症の出口が見えない状況ではありますがオンライン、ギャラリーどちらか
でも覗いていただけますと嬉しく思います。
Camellia Selection 2021
日々の泡
斎藤ちさと・小野ハナ・大坪紀久子
オンラインでの販売 →
https://www.gallerycamellia.jp/online-store-オンラインストア/chisatosaito/
ギャラリーカメリア
https://www.gallerycamellia.jp
東京都中央区銀座1-9-8 奥野ビル5階 502号室
開廊日
9月22日(水)〜25日(土)
9月29日(水)〜10月2日(土)
10月6日(水)※〜10月9日(土)※
12時-19時で開廊いたします。
※10月6日(水)のみ14時open・10月9日(土)17時close
斎藤ちさと(写真)
小野ハナ(ドローイング)
大坪紀久子(版画)
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お知らせ
2021-09-24T08:49:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
-
http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421948
感染症津波の記録
数日前、首都圏のコロナ新規感染者数がようやくオリンピック開催前くらいの数に戻りました。
今日でパラが終わってまだ10日しか経っていませんが、世間はすっかりオリパラのことも
忘れたようです。
バッハ会長は感染拡大とオリンピックは関係がない。と言い放ってお...
今日でパラが終わってまだ10日しか経っていませんが、世間はすっかりオリパラのことも
忘れたようです。
バッハ会長は感染拡大とオリンピックは関係がない。と言い放っており、
しかし、世界各地では日本からの渡航を禁止している国も出始めています。
こうして梯子を外されることも全て想定されていたことですが、
政府は来月の選挙で勝つことしか頭になく、国民はまたも置き去りにされたな。と
このような事態は忘れてはいけないと思いますので
感染爆発の推移をツイッターに記録していました。こちらにスクショを貼ります。
数の大きさから考えると波というより津波です。
簡単に結論を出すことは出来ませんが考えることを諦めたくないのです。
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身辺もろもろ
2021-09-15T12:55:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
-
http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421947
ワクチン
更新が滞ってしまいましたが皆様ご無事でいらっしゃいますか?
私の方は久しぶりにコミッションワークのお話をいただき取り組んで、先日ようやく目処が
ついたところです。
あれよあれよと言う間に大学の学期も終わり採点と入力も終えてこちらもひと段落。
あ...
更新が滞ってしまいましたが皆様ご無事でいらっしゃいますか?
私の方は久しぶりにコミッションワークのお話をいただき取り組んで、先日ようやく目処が
ついたところです。
あれよあれよと言う間に大学の学期も終わり採点と入力も終えてこちらもひと段落。
あとは有志の学生さんたちと課題鑑賞会をオンラインで企画しています。
今年もなかなか興味深い作品が揃って良かったです。
そんなこんなでほとんどリモートワークでまかなえる数ヶ月を過ごしていて
人と接触する機会が人生で一番少なかったかもしれない。
それでも感染症を甘く考えることは出来ないので、ワクチン早よ!と
待っていましたが、政府が取得数を誤魔化していたりの関係で順調に進んでいた
かのように思えた自治体の接種は私の年代を前にストップ
どうしたもんか。と思っていたところ
昨年お世話になった文化庁より文化芸術関係者向けの職域接種のお知らせを頂き
8/23の月曜日に1回目の接種を終えました。
スタッフの皆様が親切でとてもありがたかったです。
会場は国立新美術館でした。
美術館がワクチンの接種会場になる未来を自分たちは経験しているんだな。
そんなこと10年、いや2年前だって予測していませんから。
としみじみしました。
噂通りにモデルナワクチンの副反応はありました。初日は普通に過ごしていたのですが、
接種24時間後から微熱→発熱→解熱剤→微熱→平熱→微熱 といった経過で
通常の体温(自分の場合36.5℃前後)に戻ったのは木曜日の朝でした。
やれやれと思ったところ、こんな報道
私は該当しましたが、特に異常という感覚はなかったです。
文化庁からは何度かメールが来ました。
昨日のものによると代替ワクチンが入手できたので週明けに再開するそうです。
2回目接種も予定通りだそうでありがたい
現場の方々は対応お疲れ様です。という気持ちでいます。
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身辺もろもろ
2021-08-28T11:20:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
-
http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421946
役に立たないマスク
課題のサンプルで作りました。
課題は二つありますが、
その一つが「役に立ちそうもないマスク(不要不急)」を作って自撮りした画像。
今年はどんな反応があるかな?
課題のサンプルで作りました。
課題は二つありますが、
その一つが「役に立ちそうもないマスク(不要不急)」を作って自撮りした画像。
今年はどんな反応があるかな?
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講義
2021-06-15T21:44:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421945
純然たるワークショップとは言えない何か
今年も東京農業大学の仕事は遠隔授業(オンデマンド教材の配信+ZOOM)が進行中です。
昨年作った土台を基に付け加えたり削ったりの手直しをしていて、
その結果録音は全て取り直しを行っているので、良くも悪くも昨年同様かなりの時間を費やすことになっています。
こ...
昨年作った土台を基に付け加えたり削ったりの手直しをしていて、
その結果録音は全て取り直しを行っているので、良くも悪くも昨年同様かなりの時間を費やすことになっています。
この経験は今後の作家活動にも大きく影響していくように思います。
オンデマンド配信は、ひたすら教材を作って、大学のポータルサイトの中に作られている授業フォルダーにアップロードして行きます。
今年は対面授業も再開してはいますが、私の担当のように遠隔の科目と授業の形式が複雑に混在しているので、学生さんたちは大学や自宅で、またはそれ以外の場所でさまざまな環境で受講することになっています。
オンデマンドのメリットは学生が都合の良い時や空き時間を使って受講できる点、また何度でも納得できるまでリピートして学習できる点です。
獲物を狩りにいくように、学生さんが自分から主体的に動くことで学習が成立します。
文科省的に言えばこの時点で「アクティブ・ラーニング」が機能していないと無理で、
学生さんのモチベーションが頼みの綱ですが、講師としては流れを見守るしかできず。
ひたすら教材を授業フォルダーという箱の中に「置き続ける」ことになります。その点は昨年も感じましたが、遠隔授業では「教える講師」というよりは「学習の流れを見守るファシリテーター」という立ち位置に近いです。
実際のところ「置いておく」だけの一方通行はなかなか息が詰まるものでその打開案の一つとして、
また学生さんとの連絡手段を増やす目的もあり、昨年今年は開講期間に授業の連絡用のtwitterアカウントを開設して、できる限り学生さんをフォローしながら交流を計っています。
今の学生さんはsnsの使い方が繊細で鍵をかけて自分の投稿を見せないようにしている方も多いので
無理強いは出来ませんが、フォローさせてくださる学生さんの投稿からリアルな学生さんの生活を垣間見ることができて、それがとても勉強になっています。
昨年は鬼滅の刃、今年は呪術廻戦が人気。
熱心に昆虫採取のフィールドワークをしている人たちがいると思えば、
コンビニエンスストアやドラッグストアでアルバイトしている、
エッセンシャルワーカーでもある人が多いということも彼らの投稿から知りました。
また仕送りを受けずにアルバイトで自活している方が過労になっていたりするのを見かけて、
大人として何をしたら良いのかと考えてしまいます。
教材を挟んで向こうもこちらも人間であるとTwitterを通して再確認します。
また、ZOOMを使ってのオンラインワークショップを企画しました。
シュルレアリスムの章でフロッタージュ体験するというものです。
大学のwifiが不安定。という相談もあり、ZOOMは自由参加にしていますが、
去年も今年も半数以上の履修者が参加しました。(出来ない人はYOU TUBE動画で自習)
フロッタージュのワークショップは赴任初年度(もちろん対面授業)から続けていている企画です。
初年度の初日のガイダンスの後に学生さんが質問に来て
「手を動かす授業はないですか?」「お絵かきしたいです」
という要望があったのです。
しばし悩んで、大人数でできる苦肉の策として、フロッタージュのミニワークショップを試したところ
複数の学生さんから「楽しかった!」「もっとやりたい!」と反応があり続いています。
教室を回りながらアドバイスしたり、写真を撮らせてもらったりして、学生さんと言葉をかわせる貴重な機会でもあります。
去年今年はオンラインで行いましたが対面授業の時以上に「交流」の貴重な機会でした。
加えて、昨年は「役に立たないマスクを作って、着けて自撮りした画像」+レポート
の2つを期末の課題に出しました。
面白い課題が沢山出されたため、採点に時間がかかるという嬉しい悲鳴が上がりましたが、
たくさんの発見があり有意義でした。
歴史の流れを見ていった最後のところが「造形ワークショップ」です。
ただし、最終的には採点しなくてはいけませんから「ワークショップとは言えない何か」です。
今後、ここまで育てた「純然たるワークショップとは言えない何か」をどう伸ばして行くか
目の前にいる学生さんと対話しながら考えて続けたいと思います。
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講義
2021-06-14T14:58:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
-
http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421944
この7つの泡
2月から撮りためた画像をゴソゴソ確認しています。
夏は撮れないので家作業です。次は11月。
2月から撮りためた画像をゴソゴソ確認しています。
夏は撮れないので家作業です。次は11月。
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2021-05-16T09:31:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
-
http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421942
波と虹
スローですが時間を見つけて制作しています。
GW前に撮影したデータで偶然泡が虹になっているものがありました。
撮影に出かけると、感染症の拡大に反比例するようにオリンピックに向けて物々しく街が動いていて
人間は狂った環境に慣れると段々とその状況を疑問...
スローですが時間を見つけて制作しています。
GW前に撮影したデータで偶然泡が虹になっているものがありました。
撮影に出かけると、感染症の拡大に反比例するようにオリンピックに向けて物々しく街が動いていて
人間は狂った環境に慣れると段々とその状況を疑問に思わなくなるようで怖いです。
人類に法がなぜ必要だったか。改めて考えています。
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気泡2021
2021-05-15T11:10:48+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421941
再び遠隔授業
今年は対面授業に戻ります!
となるはずだった大学の仕事。
人数が100人超えると予測される講義は急遽
今年も教材配信をベースにした遠隔授業となりました。
対面授業は幻となり、今週が今年度の仕事始めで
残念がってばかりもおれずバタバタ作業しています。
...
今年は対面授業に戻ります!
となるはずだった大学の仕事。
人数が100人超えると予測される講義は急遽
今年も教材配信をベースにした遠隔授業となりました。
対面授業は幻となり、今週が今年度の仕事始めで
残念がってばかりもおれずバタバタ作業しています。
今年は、誰かが頑なにオリンピックを決行すると言い張っているせいで
15コマ分の授業を13週で授業を終わらせないといけない。という変なスケジュールの上に
昨年使ったデータがうまく保存できておらず、前半は録音し直すこととなり
ついで作品も差し替えたり、昨年は容量の関係で点数を極限まで減らしたのを
容量と相談しつつ元に戻したりしながら。
そんなこんなで暇さえあれば録音しています。
つくづくと声の仕事の方は凄いと身に染みますね。。
それから今年はオンライン上で小テストを実施したいので調べています。
この経験。今後どこかで生かさないと勿体無いなぁ。。
恒例のフロッタージュのミニワークショップは今年もZOOMで行うことになります。
これも何かのご縁。せっかくなので面白くしたいです。
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身辺もろもろ
2021-04-14T17:45:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421940
泡と波
先月と今月、時間を見つけて豊洲を撮りためています。
運河越しに市場を撮っていると水面や波も気になるように。
波は2019年の個展での映像作品のモチーフでしたが
泡と合体させるも良かろうと波も撮り始めました。
作品に繋がりそうな種は出来るだけ蒔いておく。...
先月と今月、時間を見つけて豊洲を撮りためています。
運河越しに市場を撮っていると水面や波も気になるように。
波は2019年の個展での映像作品のモチーフでしたが
泡と合体させるも良かろうと波も撮り始めました。
作品に繋がりそうな種は出来るだけ蒔いておく。
野外で撮影できる光が春は3月いっぱいくらいで、これを逃すと次は
天候にもよりますが、11月から冬にかけてになります。
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気泡2021
2021-03-22T11:32:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421939
茶の縁
2021年2月19日の金曜日は不思議な日でした。
長らく音信不通だった茶友と再会したり、
探していたものが見つかったり、補充したり、頂いたり、注文届いたり。
画像にあるお茶が1日で手元にやって来たのです。
こんなことは珍しいので記録したいと思います。
...
2021年2月19日の金曜日は不思議な日でした。
長らく音信不通だった茶友と再会したり、
探していたものが見つかったり、補充したり、頂いたり、注文届いたり。
画像にあるお茶が1日で手元にやって来たのです。
こんなことは珍しいので記録したいと思います。
上段左から:抹茶チョコレート(星野園)、ほうじ茶・天空農園(うおがし銘茶)
普洱茶・布朗大樹、武夷岩茶・金観音(小梅茶荘)、烏龍茶・鉄観音(お茶の専門店HOJO)
右:白茶・古樹白茶(お茶の専門店HOJO)
下段左から:煎茶<朝宮茶>・比叡(滋賀県茶業会議所)日吉茶園(中川誠盛同茶舗)
煎茶<大和茶>・月ヶ瀬浅もみ煎茶(お茶の専門店HOJO)、サンプルいろいろ
5年ほど深蒸し製法の煎茶に親しんで来ましたので、より古典的なお茶を
知りたいと思い、日本茶の歴史上古く所縁のある比叡山の麓あたりと
南都と呼ばれた古都奈良のお茶を取り寄せました。
「朝宮茶」と呼ばれる滋賀県のお茶は、最澄が遣唐使の帰国の時に持ち帰った種子を
撒いたのが始まりだそうですし、
最古の茶関連の記録は、かつて都のあった奈良で僧が聖武天皇に「荼」(苦菜と考えられる)
を献上したとありまして、この辺りに自生していた茶の樹が「大和茶」になって行った
とも考えられていて、お茶の歴史と仏教の歴史は切り離せないな。と。
美術もお茶もなんでもかんでも日本文化は仏教の歴史を知ることからなんだなー。
いろいろ繋がって来て何だかワクワクしますね。
繋がりもまたご縁ということで。
また日本茶のルーツである中国茶への興味も尽きません。
最近、中国茶マスターの友人から沼認定いただきましたし(笑)
ゆるゆる楽しく研鑽を積ませて頂く所存です。
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茶日記
2021-02-21T10:40:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421938
「メイド・イン・フチュウ 公開制作の20年」記録
昨年末から今月末まで府中市美術館で開催中の
「メイド・イン・フチュウ 公開制作の20年」
に参加しています。
私は2005年に行った公開制作の動画作品《気泡研究 風景》を上映しています。
そうこうしているうちに感染症の拡大が爆発して2度目の緊急事態宣言...
昨年末から今月末まで府中市美術館で開催中の
「メイド・イン・フチュウ 公開制作の20年」
に参加しています。
私は2005年に行った公開制作の動画作品《気泡研究 風景》を上映しています。
そうこうしているうちに感染症の拡大が爆発して2度目の緊急事態宣言が出され、
世の中の動きが不穏であり続けていますが、最初の緊急事態宣言の時とは違って
美術館は慎重に開館を続けています。
現場の方々の真摯さが本当にありがたいです。
会期もあっという間に終盤で、記録撮影をしました。
この作品は、ノートルダム寺院(パリ)・善光寺(長野)・大國魂神社(府中)の3箇所で
採取した色を水泡に変換して、弾けて消えてゆく動画になっています。
公開制作が決まった当初は別のシリーズでお話をいただいたのですが、
夏前くらいに試作した「ノートルダム寺院」を担当の学芸員Kさんと当時の学芸部長Yさんに
お見せしたところ「実験したらいいよ」と背中を押していただいて始まった作品です。
今思い出してもとてもとてもありがたかった。
またこの展覧会には夫のバンドウジロウも2015年に公開制作した《日本国憲法第97条》を展示しており、
奇しくも夫婦の作品が同時に展示されています。
公の空間で一緒に展示できるのは私たちにとっては珍らしいことで不思議です。
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記録
2021-02-17T11:27:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421937
瑞泉寺境内
禅の庭園、枯山水には花がなくて岩と小石と緑の植栽で色を排除して
その排除された色が床の間の花で、それが生け花の源流と言われています。
瑞泉寺は枯山水が成立する直前くらいの時期の庭ですが
浄土庭園から枯山水への過渡期のように見えるし、どちらとも違う...
禅の庭園、枯山水には花がなくて岩と小石と緑の植栽で色を排除して
その排除された色が床の間の花で、それが生け花の源流と言われています。
瑞泉寺は枯山水が成立する直前くらいの時期の庭ですが
浄土庭園から枯山水への過渡期のように見えるし、どちらとも違うものにも見える。
しかし庭園に至る前庭には梅や椿が咲いて賑やかです。
珍しい花があるので通りかかった庭師のおじいさんに聞いて見たところ、
「三椏(みつまた)だよ」
とのこと。
楮や雁皮と同じく和紙の原料になる植物です。
また本堂の右手には露地がありお茶室もあります。
お茶室の通路から裏庭がカメラオブスクーラの針穴のような見え方でした。
山を降りるときに参道の苔もまた美しく。
予約が億劫で行きそびれている西芳寺(夢窓作の苔寺)も近い将来行かねば。
と決意。
それから岐阜の永保寺の庭園にも行きたくなりました。
次なる宿題を持ち帰っての帰路となりました。
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庭園⇔いけばな
2021-02-16T17:23:00+09:00
斎藤ちさと
JUGEM
斎藤ちさと
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http://cs-diary.geppei.com/?eid=1421936
夢窓疎石の庭(瑞泉寺)を見た
先日、鎌倉の瑞泉寺庭園を見てきました。
鎌倉から室町時代にかけて多くの権力者を魅了した禅僧・夢窓疎石(国師)が作庭した
庭園です。
夢窓は偉大な僧侶であると同時に日本庭園史を代表する作庭家とも考えられています。
書や詩歌の分野でも評価が高く
レオナ...
先日、鎌倉の瑞泉寺庭園を見てきました。
鎌倉から室町時代にかけて多くの権力者を魅了した禅僧・夢窓疎石(国師)が作庭した
庭園です。
夢窓は偉大な僧侶であると同時に日本庭園史を代表する作庭家とも考えられています。
書や詩歌の分野でも評価が高く
レオナルド・ダ・ヴィンチや空海に匹敵するマルチな才能の持ち主ですね。
この「瑞泉寺庭園」は山の岩に穴を掘り、禅の開祖である達磨大師が座禅した洞窟を現した、
自然の地形に人間の手を加えて作られた庭園です。
実際に夢窓や弟子の僧たちが洞穴に座って(主に右の小さめの穴)修行した
とのことで元々は道場としての機能が主だったかもしれませんが、
鑑賞空間としても圧倒的な力があります。
正面の穴の右に通路が作ってあり山の頂上に登れるようになっていて
相模湾や下界を見渡すことが出来るそうですが、今は立ち入り禁止です。
左側も登れそうな階段跡(?)みたいなものが確認出来てます。
引いてみると絶壁が自然物なのか、意図して手が加えられたのか判然としないのですが、
全体としてとにかくワイルド。
禅は「黙って座る」静かなイメージなのですが、そのイメージを打ち破る荒々しさ
が感じられ非常に力強く、禅というのは本来とてもワイルドなんだろうな。
という感触をもちました。
思えば、座禅中に申し出ると警策棒でバシン!と叩かれるなどワイルド
といえばワルドですね!
禅は茶の湯のルーツでもあり、というか茶の湯は禅修行の一つとして始まっていて
作庭も禅修行の一つであったと伝えられます。
庭園は東西問わず「理想郷」「極楽浄土」「楽園」「パラダイス」といった世界観に
基づいているのですが、夢窓が作ったこの瑞泉寺庭園は単純に極楽とは
言い難く逸脱していて興味深いものでした。
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庭園⇔いけばな
2021-02-15T10:52:00+09:00
斎藤ちさと
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斎藤ちさと