
前回の投稿で少し触れた
内田樹×中田考 両氏の対談「一神教と国家」
少しずつ読んでいます。
なにせイスラーム初心者なもので、解らない事が出て来ると調べたり
するので時間がかかってしまって。。
ハサン中田氏によると、
イスラームでは写真は偶像ではなく、影という判断で、鏡と同じようなもの。
写真は偶像崇拝ではない!なんと!!!
なので、原理主義の元締めと呼ばれるイランではホメイニ師の特大写真を飾ったりするの
だそうです。
「写真は影」
写真の原理は古代ギリシアのアリストテレスが木漏れ日を見て、
光と影の考察を巡らせたのが始まり。と言われていますが、
ギリシアの学問は中世のヨーロッパでは放置されて忘れ去られていました。
そのギリシアの学問をイスラームの人々がアラビア語に訳して保存していたものが、
十字軍の遠征によって、ヨーロッパの人々に再発見された。。
それがルネサンスの契機の1つになっています。
もしもイスラームの人たちがギリシアの学問を保存しなかったら
ヨーロッパは中世のままだったかもしれないわけで、
イスラームの人たちはルネサンスの功労者です。
(だからこそヨーロッパの人々は心中複雑かも?という見方もありますが)
ついで言えば、ルネサンスで航海術や羅針盤が発達しなければ、
室町〜桃山時代にヨーロッパからの文化やキリスト教が日本に入ってくることもなく。
(もちろん大砲や火薬も)
いわゆる戦国時代も全然違ったものだったかもしれず、
南蛮被れといわれた織田信長も地味な奴だったりして?!
それはともかく、イスラームの人たちは偉かった。
私は中世においてギリシアの学問を保存したイスラームの人々に敬意を
持っています。
写真は影。という考え方にめちゃギリシアの匂いがするというか。
とっても面白い!
*画像は近作を整理しているものです。